うさぎトレーナーシリーズ

□番外編『Rたちの旅2』
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6・新たな友達と強さ=優しさ

シャラシティに向かうため、11番道路を歩いていると映し身の洞窟が見えたあたりでユウリンちゃんのホロキャスターが鳴った。
相手は、プラターヌ博士。
話の内容によれば、シャラシティにはメガシンカおやじと呼ばれる、メガシンカに詳しい人間がいるみたいだ。
ユウリンちゃんは、それを聞いて気合十分。
意気揚々と映し身の洞窟に入って行く。
まぁ、洞窟内は暗いから、お約束でRと手を繋いで進むんだけどな。
それにしても、鏡みたいな壁で始終誰かに見られてるようで落ち着かねぇ。
ユウリンちゃんも同じみたいだ。
少しでも落ち着くために、休憩をとる。
そんな中、Rは兄イーブイとの特訓中の野生ポケモンとのバトルの様子が気に入られて、ヤミラミのラミをゲット。
リジュンは、なぜかユニランに惚れられ、ゲット。
そして、野生ポケモンを守っていたソーナンスのナンスをゲット。
オレも、新しい仲間が欲しいなぁ。
と、思っていたら、岩みたいなポケモンに出会った。
ユウリンちゃんがいないから、なんてポケモンか分かんねぇけど、末っ子イーブイと遊んでいるとチラチラこっちを見てくる。

「一緒に遊ぶか?」

《良いの?》

「ああ!末っ子も良いよな?」

《はい。一緒に遊びましょう!》

駆けっこしたりして、遊ぶ。
岩タイプって、素早さは低いって言われるけど、こいつは素早いな。

「お前、素早いのな!すげぇや!」

《すごい?ありがとう!嬉しい!》

「ハハッ!あっと、オレはコウダイって言うんだ。ダイちゃんって呼んでも良いぜ☆」

《ダイちゃん!》

「なんだ?」

《呼んだだけ》

「おい・・・っ!なんだ、それ!」

《ダイちゃんさん。遊ばれてます》

「ちーがーう!オレが、遊んでんの!」

《アハハッ!ダイちゃんも末っ子も面白いね!楽しい!》

「そりゃ、良かった。オレもお前と遊べて楽しいぜ☆」

そこで、休憩終わりの合図がくる。

「っと、悪い。オレら、もう行かねぇと・・・」

《一緒に行っちゃダメ?》

「ん?」

《ぼく、ダイちゃんや末っ子ともっと遊びたい!!》

「・・・遊ぶだけじゃなくて、バトルもしなくちゃいけなくなるぞ?」

《良いよ!だって、ぼく、ダイちゃんが大好きになったんだもん。だから、一緒にいたい!バトルも頑張るよ!》

「分かった!一緒に行こうぜ!」

《うん!!》

《新しい仲間、ゲットですね》

「ああ。でも・・・」

「ダイちゃん、どうかしたの?あれ?メレシーだね!可愛いー!友達になったの?」

「メレシーって、言うのか」

「うん。岩・フェアリータイプのポケモンだよ」

「よし!じゃあ、お前の名前はメレで良いか?」

《うん!よろしくね、ダイちゃん、末っ子!》

「よろしくな!メレ!」

《よろしくお願いします!》

こうして、新たにメレシーのメレがオレの仲間になった。
しばらく進むと、ダンス君(ガンケイ)がいた。
どうやら、自分が弱いと悩んでいるらしい。
ユウリンちゃんが強いのが、羨ましいと言っている。
ユウリンちゃんは、そんなダンス君にこう言った。

「ガンケイだって、頑張ってるって私は思うよ。強さって、バトルに勝つことだけじゃないし」

バトルに勝つことだけが、強さじゃない。
その言葉で、オレはユウリンちゃんがポケモンとの絆がなぜ強いのか分かった。
力が強さじゃない。
本当の強さは、優しさなんだ。
だから、ポケモンたちは、その優しさに応えるため強くなる。
そしてユウリンちゃんは、その強さに応える。
だから、揺るぎない絆が生まれるんだ。
でも、本人は分かってない。
だから、ユウリンちゃんは面白い。
長い映し身の洞窟を抜けると、ふいにユウリンちゃんがふらついた。
どうやら、暗いところから急に明るいところに出たせいで立ち眩みを起こしたみたいだ。
いそいでユウリンちゃんを抱き上げるR。
ユウリンちゃんは恥ずかしがって、降ろしてほしいようだが、Rが聞くはずもなく、そのままシャラシティのポケモンセンターに行くことになった。
ちなみに、ポケモンセンターでは強制的にリジュンがユウリンちゃんを休ませ、冷たいおしぼりなんかで額を冷やしたりしていた。
オレも、ビタミンたっぷりのフルーツを差し入れして、かいがいしく世話をしていた。
ん?Rはベッドの横でずーっと手を握ってたぜ?
重病人扱いに、ユウリンちゃんが困惑していたのは、言うまでもない。
でも、こんな優しさにあふれた人間を失うわけにはいかないから、ちょっとだけ許してな?


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