うさぎトレーナーシリーズ

□番外編『Rたちの旅3』
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1・初めての進化

12番道路から、海を渡り、また12番道路へ。
そこには、メェークル牧場があり、サイホーンより乗りやすいということで乗ってみることにした。
ユウリンがいうには、サイホーンレーサーはまずメェークルに乗ることから始めるらしい。
メェークルは、そのツノで乗り手の感情を読みとるので落ち着いて乗れば大丈夫という。
ユウリンの言う通り、メェークルはおとなしくボクを乗せて進んでいく。

「なぁ、1周レースしてみねぇ?」

コウダイがそう言ってくる。

「面白そうだね!良いよ!メェークルも良い?」

《良いよー!》

メェークルも同意してくれたので、4人でメェークルで競争した。
1着はユウリンだと思うけど、コウダイに負けたくない。

「ボクに力を貸してくれる?」

《OK!》

ラストスパートの直線ライン、ボクの勝ちたい気持ちを読んで、メェークルがスパートをかけ、ボクは2着になれた。

「すごーい!Rさん、これなら、サイホーンにも乗れましたね!!」

ユウリンに笑顔で褒められ嬉しくなる。

「あーあ、オレが2着かと思ったのに」

「メェークルは、Rの勝ちたい気持ちを読んだんでしょう」

「ああ。ユウリンちゃんの、あの笑顔で褒められるために?」

「おそらくは」

「本当、Rはユウリンちゃん大好きだよな」

「当然だろう?ワタシは、ユウリンを愛している」

ユウリンがメェークルたちをねぎらっているので、ワタシは2人の会話に参加する。

「はいはい。あなたがユウリンちゃんをどれだけ大切に想っているかは知っていますよ」

「け・ど、ユウリンちゃんはまだ10歳だからな!!変なこと教えたりすんなよ!」

「わ、分かっている!」

「『おまじない』、ユウリンちゃんが他のやつにもやったら、嫌じゃね?」

「当たり前だ!」

「はい。ですので、あれはRのユウリンちゃんにだけ効くもので他の人にはしたらいけないことを教えておきました。R、ユウリンちゃんは疎いんですから、そこらへん気をつけて下さいね」

「そうそう。フォローが大変なんだぜ〜?」

「悪い・・・」

ちゃんと、ユウリンだけへの特別なおまじないって伝えたのに、伝わってなかったのか。

「みんな〜、そろそろ出発しませんかー?」

「ええ、行きましょうか」

「オッケー!」

「う、うん。行こう」

「Rさん?どうかした?」

「いや、なんでもないよ」

「そう?でも、何かあったら言ってね。力になりたいから!」

「ありがとう」

そう言って、トレーナーとバトルをしながら進む。
途中、コウダイがペラップを意気投合してゲットしたが、正直うるさい。
口真似が得意なペラップのラップは、コウダイのボクへのからかいまでも口真似するからな。
釣りをしていて、チョンチーもゲットしたコウダイ。
だが、チーと名付けられた、そのチョンチーはユウリンを複雑な顔で見ている。
れいしょう(ルカリオ)とゆーりん(ニンフィア)が話しかけたら、治ったが気になり、2匹に話しかける。

《ああ。チーは♀でダイの笑顔が気に入ってついてきたから、人間のユウリンとダイの関係が気になっていたんだ》

《だから、ダイとユウリンはただの旅の仲間と教えたの。あなたも、♀ポケモンをゲットしたら気をつけることね》

とりあえず、♀ポケモンはゲットしないように気をつけようかな・・・。
そして、もう夜になるので、そろそろ野宿の準備をしながら、兄イーブイたちの様子を見ると昼間のバトルの影響のせいか、自主練をしていた。
兄イーブイはダーク(デルビル)とラミ(ヤミラミ)はゆーりん、レイ(ルカリオ)はれいしょうと特訓していた。

「Rさん、リジュンさんがそろそろ夕ご飯だからって・・・」

「うん。分かった。兄イーブイ!ダーク!ラミ!レイ!もうお終いにして、ご飯を食べよう!」

「れいしょう!ゆーりん!そろそろ時間よ!」

《行きましょ》

《了解》

ゆーりんがラミを促す。

《ここらで、止めておくか》

《は、はい・・・》

れいしょうがレイに言う。

「レイ、大丈夫か?」

《だ、大丈夫・・・れいしょうは強いから、参考になる》

どうやら、かなりスパルタな特訓だったようだ。

「兄イーブイと、ダークもっ・・・て!」

ユウリンの驚きの声が聞こえ、そちらを見ると兄イーブイの体とダークの体が光っていた。

「進化だね!」

光が収まると、兄イーブイはブラッキーに、ダークはヘルガーに進化した。

「おめでとう!」

ユウリンが2匹に笑顔で言う。

《進化したんだ・・・》

《ふむ。力がみなぎるのが分かるな》

「やったな、ダーク。それに、やっと呼べるな。“ラック”」

《うん!》

《お前も、私と同じ悪タイプか。気が合いそうだ》

ボクと進化した2匹の後ろで、ユウリンたちが何か話している。
後で、コウダイにでも聞いてみるか。
聞くと、ダーク(ヘルガー)の雰囲気がユウリンいわく不機嫌な時のボクの雰囲気に似ているらしく、『ヘルガーモード』と名付けられたことと、いつもの雰囲気は『ヨーテリーモード』と名付けられたことが分かった。

「王様の雰囲気よりは、オレもそっちの方が呼びやすいかな」

「そうですね。Rはもう、プラズマ団の理想の王ではなく、仲間なのですから」

2人のその言葉が嬉しかった。

「ありがとう・・・2人共」

小さくお礼を言うと、リジュンは微笑み、コウダイはニカッと笑った。
そして次の日、また歩いているとユウリンのホロキャスターが鳴り、キガクがヒヨクジムの前でバトルしようと言ってきた。
ライバル戦に燃えるユウリン。
リジュンにあれこれと尋ねる。
リジュンは丁寧にヒヨクシティはモノレールで繋がっていることを説明すると、モノレールに乗るのは初めてだと、はしゃぐユウリン。
ボクも乗ったことがないので、楽しみだね、と話しかける。
コウダイとラップも、楽しみだと騒いでいる。
コウダイは、ラップをゲットしてからは、ユウリンのめいりん(デデンネ)のように肩に乗せている。

「賑やかな旅ですね」

リジュンが苦笑しながら、言う。

「ああ。でも、悪くないな」

ボクは穏やかに言って、シーサイドステーションに入って行った。


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