うさぎトレーナーシリーズ

□番外編『Rたちの旅3』
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3・ユウリンへの疑問

ゲートをくぐると、

「待っていたわ!」

と声がした。
プラターヌ博士の助手のジーナだ。
デクシオもいる。
2人はボクたちに近づく。

「あはは!驚かせてゴメン。待っていたわけではなくて、プラターヌ博士に頼まれて発電所に行こうとしてたんだ。この先、13番道路とミアレシティを繋ぐゲートが謎の停電で閉じているからね。調査をしないとね」

まだ、停電騒ぎは治まってないのか。
さて、どうしたものか。
考えていると、

「さて、セントラルカロス、コーストカロスとくれば、お次はなにかしら!?」

ジーナが尋ねてくるが、カロス地方に引っ越した翌日に旅立ったユウリンに分かるはずもない。
案の定、困った顔をしている。
デクシオが、助け舟を出しユウリンのポケモン図鑑をバージョンアップする。
図鑑の説明を終えた時、ジーナが聞き捨てならないことを言った。

「あなた・・・ちょっと大人の顔になったかしら・・・?」

大人の顔って、ボクはまだ何もしてないんだが?
ここで、リジュンに肘打ちされる。

「ユウリンちゃんは、色んな体験をしてきました。結果、大人っぽく見えるようになっただけで、あなたが考えているような『大人の顔』ではありませんからね!」

「R〜、『大人の顔』で、ナニ考えたんだ?」

「うるさい」

ニヤニヤ笑うコウダイを睨み、ユウリンを見ると何かを考えている。
そして、

「あの・・・」

と言い出しにくそうに話をしようとする。
これは、もしかして・・・。

「ユウリン?もしかして、発電所を調べたいの?」

ユウリンは、なぜ分かったんだろうという顔をする。
リジュンは、危険なことにユウリンを巻き込みたくないから、

「ユウリンちゃん、あの人たちが調査をするんですから、しなくてもいいと思いますよ?」

と、説得しようとするがユウリンはいつものように納得しない。

「気になるんだね?」

「うん」

キッパリと頷くユウリン。
これは、いくら言っても聞かないパターンだな。
ボクは、コウダイにアイコンタクトする。
それをキチンと理解し、

「しゃあない!なんか、アイツらだけじゃ心許ないし、オレたちも調査しようぜ!」

《シヨウゼ!シヨウゼ!》

と、言ってくれるコウダイ。
まだ渋るリジュンに、

「リジュン。ユウリンが1度言い出したら止まらないことは、よく分かってるだろう?ボクらも行くんだ。大丈夫さ」

こう言って説得し、リジュンもユウリンの妙な頑固さは分かっているので、

「仕方ないですね。分かりました!でも、ユウリンちゃん、危険なことは私たちに任して下さいね!!」

と、納得した。
それに対して、

「は、はい!努力します!」

と答えるユウリン。
任せますって、言わないのがユウリンらしいな。
こうして、ミアレの荒野にある発電所を目指して進みだしたボクたち。
荒野だけあって、風と砂埃がすごい。
その風や砂埃から、ユウリンを守るためにボクは、ユウリンの手を取って前へ進む。
コウダイは風がすごいので、ラップ(ペラップ)はボールに入れて、めいりん(デデンネ)はユウリンのポシェットの中だ。
発電所へ近づくと、見たくもない赤いスーツの男がいた。

「どうやら、フレア団が関わってるみてぇだな」

コウダイが忌々しく呟く。

「あの人たち、発電所で何の悪いことしてるんだろ?」

ユウリンは、不思議そうに言いながらも、目が笑っていない。

「分からない。だが、行くんだろう?」

ボクは、そんなユウリンにワタシ以外の3人いわく『ヘルガーモード』でユウリンに尋ねる。
いつもなら少し怯えたりするのに、

「もちろん!発電所の人たちを放っておけないわ!!」

ユウリンはキッパリとそう答える。
リジュンも、腹をくくったのか、

「そう言うと思いましたよ。まぁ、ユウリンちゃんの意見に賛成しましたし、ここは力を合わせてやりましょう」

と言い、コウダイも、

「だな!輝きの洞窟のリベンジといくか!!」

と、賛成し男に近づくと、あちらも気づきバトルになる。
相手をしようかと、思ったら先にユウリンに動かれた。
相手のポケモンはヘルガー。
自分と同じポケモンを持たれているのが、こんなに嫌だとは思わなかったな、今までは。
ユウリンは、苦しそうな顔をしながら、れいしょう(ルカリオ)の波動弾で倒す。
次はゴルバット。
めいりんの10万ボルトで、勝負は決まった。
崩れ落ちては、また立ち上がり逃げるのがパターンのフレア団のおそらく下っ端。
やはり、逃げに入ったが、途中で止まり、発電所パスをなくしたことを口走り去っていく。
しかし、発電所パスがないとこちらも入れない。
リジュンもそう言い、しらみつぶしに探そうかと提案しようとしたところで、めいりんがパスを見つけてきた。
みんなに褒められ、嬉しそうなめいりん。
そして、発電所パスを使い、ボクらは発電所の中に入った。




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