うさぎトレーナーシリーズ

□番外編『Rたちの旅3』
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カロス発電所の長い通路を抜けると、声がした。

「誰?」

と聞く男は言うまでもなく下っ端フレア団員。
関係者以外立ち入り禁止だと言う男に、コウダイがお前らも関係者じゃねぇだろ!!と怒鳴る。
そして、バトルが始まる。
まずは、ユウリン。
相手はズルッグでユウリンはゆーりん(ニンフィア)を出し、ムーンフォースで倒す。
次のポケモンはグレッグル。
ユウリンを下がらせ、今度はリジュンがバトルする。
ユニランのランのサイコショックが決まり、グレッグルは倒れた。
ここで、微笑み合うユウリンとリジュン。
それが気に入らず、2度私たちを誰かと聞いてきた下っ端に、お前らの妙な企みを阻止する者だ、と言って睨みつける。
下っ端は脅えながらも、ミアレシティに送る電気を奪っているから邪魔をするなと言って逃げて行った。

「やつあたりされて、御愁傷様だね〜。って、オレまで睨むなよ!」

そんなボクらのやり取りはバッサリ切り捨て、リジュンがミアレシティの停電は奴等の仕業だったと確信して言う。
早く解決しないと!と意気込むユウリン。
ボクもそれに同意し、まずは小部屋に入ると発電所の人たちが捕まっていた。
ユウリンとコウダイを子供だと勘違いし、ボクとリジュンに助けを求める。
まぁ、発電所の電気を取り戻すために先に進むが、

「実力は、ユウリンちゃんが1番なんだけどな。それにしても、慣れてっけど子供扱いでなめられるのは、気分良いもんじゃねぇな」

コウダイの目が据わっている。
その時、やつあたりのターゲット、もとい、フレア団員の下っ端がいた。

「ポケモンがいるとはいえ、乗りこんでくるなんてフレア団をバカにしてない?」

と言う下っ端女団員に、

「思いっきりバカにしてる☆」

と、目が笑ってない笑顔で言うコウダイ。
とりあえず、1番手はボクがバトルすることにした。
相手はグレッグル。
ならば、

「行け!レイ(ルカリオ)!」

グレッグルは、毒・格闘。
毒タイプに効果のある技で決める。

「ボーンラッシュ!」

グレッグルは倒れ、次はコウダイが勝負する。
ゴルバットが相手で、コウダイはメレシーのメレを出す。
飛行タイプに効果抜群の岩タイプの技、ストーンエッジで勝負はついた。
ボクは、リジュンと微笑み合うユウリンとの憂さ晴らしをコウダイは子供扱いされたことへの鬱憤を晴らし、満足気にお互い微笑む。
が、

「お子ちゃまにも負けちゃって、あたしバカみたい!」

と逃げる女団員が言ったせいでコウダイの機嫌は逆戻りだ。
さらに奥に進むと、電気のラインが多く張り巡らせた場所に着き、ここが発電所の中心部だと分かった。
さらに進もうとするも下っ端男団員に止められる。
下っ端男団員いわく、こだわりのある、オレが相手だ!と言ってくるが、

「あんたのこだわりなんて興味ねぇよ!」

と、機嫌の悪いコウダイに怒声のツッコミを入れられる。
出てきたのは、グラエナ。
素早く図鑑をチェックしたユウリンが、えるしょう(エルフーン)のムーンフォースで速攻で倒す。
オレは負けることにこだわった、と言う男に怒りをあらわにするユウリン。
負け惜しみだと言って落ち着かすが、ここで問題が起こった。
こだわりのある、この下っ端はここを動かないと言う。
ユウリンは強行突破に出ようとするが、リジュンに、

「ユウリンちゃん、この男をどかす時間をとるより、別ルートで進んだ方が効率が良いです」

と説得され、男を一睨みし別ルートへ進むユウリン。
次々にいる下っ端フレア団員。
各々バトルする。

「ダーク(ヘルガー)、火炎放射!」

「ラン(ユニラン)、サイコショックです!」

「ラップ(ペラップ)、おしゃべりからの、つつく!」

ここで、フレア団員の持つポケモンの傾向が分かる。
ヤツらは、悪・格闘・毒タイプを持っていることが多い。
バトルを終え、ユウリンと合流して先に進む。
広い中心部、そして、電気を奪うのを邪魔されたくないためにフレア団員は多い。

「ラック(ブラッキー)、サイコキネシス!」

毒タイプ持ちなら、ラックのエスパー技、サイコキネシスとレイの地面技、ボーンラッシュで倒す。
悪タイプなら、レイの格闘技、れいしょうとの特訓で会得した波動弾で倒す。
ダークも、効果抜群ではないが、噛み砕くや、火炎放射で対抗できる。
ラミ(ヤミラミ)も、ねこだましで敵を怯ませたり、日本晴れでダークの補助をしつつバトルしている。
皮肉だが、フレア団とバトルすることで、連携の仕方が見えてきた。
ユウリンがバトルを終えたのが見え、こちらも終わらせる。
バトル終了後にメチャクチャなことを言っているヤツらばかりで、大丈夫なのか?この組織は。
精神がおかしいヤツらが多すぎる。
ユウリンもこんなヤツらとバトルしてるから、心配だ。

「ユウリン、大丈夫かい?」

「うん。それにしても、いったい何人いるんだろう?」

良かった。精神的にまいってないみたいで。

「うじゃうじゃいるよな」

コウダイは呆れながらも、子供扱いの鬱憤は晴らせたようだ。
相手に同情はしないが、コウダイは多分負かした相手に容赦なくツッコミを入れただろう。
ポケモンを負かされ、さらに精神的にも負かされた図が見えた。
そこでリジュンが、メガネを押さえ、

「ほら、またですよ」

と、ため息をつきながら言う。
リジュンの攻撃も口撃も厄介だと思う。
ラン(ユニラン)のエスパー技でやられたり、ナンス(ソーナンス)のカウンターやミラーコートで攻撃を跳ね返され、特にやっかいなのは、未進化なのに、とっておきを覚えている真ん中イーブイだ。
あのコンボは知識豊富なリジュンならではだと思う。
まず、つぶらな瞳で先制で攻撃力を下げ、しっぽをふるで防御力を下げ、電光石火を決めてからの、とっておき。
コウダイも、それをマスターしているし、チー(チョンチー)も電気が溢れる、この場所だと力が増すのか電気技の威力が高い。
ラップのおしゃべりで、混乱したところをやられたりするし。
メレも、悪タイプに効果抜群のフェアリー技を持ってるしな。
ユウリンは、言わずとも強いし。
この4人で、次々倒し、ようやく電気を奪っている場所に着いた。
いるのは、赤いスーツではなく白いスーツを着た男と妙なゴーグルを付けた女。
隠れて様子を伺う。

「あと、どれくらいだ?」

白スーツの男が問いかけると、女は、

「事実だけをいうならば、アレを動かすのに必要な電気は蓄積できたわね」

なるほど?つまり、白スーツは幹部であの女は、科学者といったところか?
しかし、アレとは何を示している?

「では、そろそろ引き上げるか。更なるミッションがある」

更なるミッション・・・ソレも喋ってくれるとありがたいんだが、そうもいかないみたいだな。
あの幹部は気づいてないようだが・・・、

「・・・ミッションというのは、あのポケモントレーナーたちの始末かしら?」

やはり、あの科学者らしいのは気づいていたか。

「驚きだな。作業者以外にも始末するものが増えたか」

始末・・・か。
それを許すとでも・・・。

「ここは、私に勝負させて下さい」

この場にそぐわない静かな声。
てっきり、怒りをあらわにすると思っていただけにボクらは、戸惑いながらも頷く。

「れいしょう行くわよ!」

相手はヘルガーだったため、波動弾で速攻でバトルは終わる。
だが、この違和感は何だ?
輝きの洞窟でも感じた、違和感。
絆は確かにある。
だが、ユウリンのバトルはもっと・・・、

「こんなの、違う。ユウリンちゃんのバトルは、見てて惹きつけられるバトルだ。でも、このバトルはそうじゃない。すぐに終わらせる、そんなバトルだ」

コウダイが言う。
そうだ。いつものバトルは惹きつけられる、ユウリンの一生懸命さが伝わるバトル。
だけど、このバトルは・・・。

「早く終わらせたいのは、使われるポケモンを思ってのことでしょう・・・ユウリンちゃんの、こんなバトルは見たくないですが仕方ありません。ユウリンちゃんは、見たくないのでしょう、悪者に利用されているポケモンたちを。攻撃する度に、辛い顔を苦しそうな顔をしていますからね・・・」

リジュンが苦い顔で言った。

「状況を分析・・・100%敗北です」

《当然だ》

幹部の男の言葉に、冷たく言うれいしょう。
男は科学者らしき女のところまで後ずさる。

「すまない!科学者。後始末を頼む!」

やはり、あの女はフレア団の科学者か。

「アハハ!いいの?」

ユウリンの前に出る科学者の女。

「トレーナーさん、カモーンしちゃって!」

「もちろん、そのつもりよ」

《ああ》

挑発するような科学者の女の言葉に動じることなく、静かに言うユウリンとれいしょう。

「わたくしの名前は、アケビ。ご覧のとおり、フレア団でとある研究をしている科学者です。あなたには悪いのですが、お願いされちゃったからね」

アケビという科学者が出したのは、グラエナ。

《行くぞ!》

「うん!波動弾!!」

このバトルも速攻で終わる。

「強いのね、アナタ。うん、強いよねアナタ」

アケビの言葉に、

《当たり前だ》

「あなたたちになんて、負けない」

冷たく言い放つ、れいしょうとユウリン。

アケビはおもしろいと言って、幹部の男と共に去っていった。
ボクらは、ユウリンたちになんて声をかければいいか分からなかった。
そんな時、新たに2人組があらわれた。
と、いうか、この2人は仮面をしているがジーナとデクシオだろ。

「あれ、変装のつもりか?バレバレだって!」

「今頃来るとは、遅すぎます」

コウダイは笑いをこらえ、リジュンはこめかみを押さえる。
だが、この2人が来てくれて良かった。
ユウリンも2人だと気づいて、元の雰囲気に戻るだろう。
ボクが戻せないのが、悔しいけれど。
が、2人組と話すユウリンだが、いっこうに気づく気配がない。
そして、2人組が去ると、

「あの人たちみたいに、カロスを守ってる人がいるんですね!」

と、こちらを向いて嬉しそうに言う。

コウダイが、

「ユウリンちゃん、気づいてないの?」

と聞くと、

「何に?」

と首を傾げるユウリン。

《ユウリンは、似ているが同一人物ではないだろうと思っている。鈍いからな》

れいしょうがそう教えてくれる。
似てることに気づくのに同一人物とは思わないって・・・!
とんでもなく鈍いよ、ユウリン!
ボクとコウダイは声に出して笑い、リジュンはクスクスと声をひそめて笑っている。

「ユウリン、らしいね」

「そうですね」

「だな!じゃっ、行こうぜ!」

ボクらが笑っている理由を聞こうとするユウリンを遮り、小部屋の捕えられていた人間たちにフレア団が去ったことを告げ、ボクらは発電所を出た。
ゲートへ続く階段を下りようとすると、見たことないほど背の高い、老人がいた。
おそるおそる階段を下りるユウリンを手を引いてかばいながら、下りていく。
近くまで行くと呟きが聞きとれた。

「ポケモン・・・花のポケモン・・・永遠の命を・・・与えられた、花のポケモン・・・」

そして、ゆっくりと歩き去っていった。

「永遠の命を与えられた、花のポケモン・・・?」

「なんのことだろうね?」

ユウリンと2人で顔を見合わす。
あっ、いつものユウリンの瞳だ。
発電所での冷たい瞳じゃなく、あたたかな瞳。
ボクの大好きなひだまり色の瞳。
ユウリンの瞳をジッと堪能していたら、

「それにしても、でっけーじじぃだったなぁー!!」

「ええ。3メートルはあるんじゃないでしょうか?」

と、横やりが入る。
しかし、2人はユウリンを見やっている。
ああ。そういうことか。

「さっ、ミアレシティへ行こう!友達たちも休ませたいしね」

早くユウリンやポケモンたちを休ませないとね。

「そうですね。フレア団とバトルして・・・ううん、あれは、トレーナーとポケモン同士が力を合わせてするバトルじゃない。・・・『戦い』だわ。そんな戦いをさせてしまった、みんなにちゃんと休んでもらわなきゃ。辛かっただろうから・・・」

ユウリン・・・。
でもそれは、

「ユウリン・・・、大丈夫。みんな、分かってくれてるよ。自分たちと同じように、いや、それ以上に、ユウリンが辛く悲しい思いをしてるのを。だから、ユウリンもしっかり休むんだよ?」

君も同じだろう?
そんなに、1人で抱え込まないで、ボクにも背負わせてほしい。
だけど、君はそんなこと望んでなんていない。
どう伝えれば良いんだ?

「そうですよ、ユウリンちゃん。それに、ミアレシティにはミアレジムがあるんです。ユウリンちゃんの夢のためのバトルがあります」

「そうそう!それに、ミアレシティはでかい街だからさ、気分転換に色々まわろうぜ☆うまいもん食べたりしてさ!」

2人が助けを出してくれる。

「はい!行きましょう、ミアレシティへ!!」

ユウリンは、いつもの元気を取り戻し笑顔でそう言った。
ユウリン、君がどんな思いで『戦っていた』か、ボクにはまだ分からない。
だけど、君が『戦い』というバトルに、あるポケモンだけは出さなかったこと。
それには、気づいてる。
ユウリン、どうしてだい?
あの子も、君の『仲間』だろう?
そんな疑問がユウリンへ浮かんだ。
だけど、いつかは解決すると良い。
そして、その糸口がボクなら良いと、そう思いながら、ミアレシティへのゲートをくぐった。



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