うさぎトレーナーシリーズ

□番外編『Rたちの旅3』
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5・お疲れ様です

ゲートを抜けると、背後から声がかかりました。
ユウリンちゃんの友達のメイギョクちゃんです。
彼女は、私たちの後ろ姿が見えたので急いで走ってきたと言った通り、額に汗をかいていて、ユウリンちゃんは、それをハンカチで拭いてあげます。
お礼を言い、ミアレシティの停電騒ぎを収めた人物の話になり、ユウリンちゃんは複雑そうに笑いながら、「さ、さあ?」と答えます。
まさか、自分たちだとは言えませんからね。
停電のせいで点灯してなかった、ミアレシティのシンボル、プリズムタワーの点灯がこれから行われるので、それに誘われました。
私としては、早くポケモンセンターでユウリンちゃんを休ませたいのですが、友達の誘いを断るユウリンちゃんではありません。
とりあえず、ポケモンたちは途中にあったローズ広場のポケモンセンターに預け、プリズムタワーに向かいます。
ユウリンちゃんは、いつも肩にいるめいりん(デデンネ)がいないのが寂しいのか、ふとした瞬間に肩を見ました。
それを見逃さないのは、Rです。
さりげなく肩を抱き、安心させるようにユウリンちゃんに微笑みます。

「ナイスタイミング♪これから点灯するみたい。あっ、シトロンさん!ミアレのジムリーダーだよ!発明も得意で色んなマシンをつくってるの!ほらほら、あの二人・・・!あたしの友達なんだよ!」

ジムリーダー・・・、てっきり大人ばかりがやっているのだと思っていましたが、シャラジムのコルニさんといいジムリーダーに年齢は関係ないようですね。
問われるのは、実力ということですか。
小さな女の子がジムリーダーの、シトロン君を急かしつつ、こちらに気づきます。
ユウリンちゃんが、チャレンジャーだと分かると、待っててほしいと頼んできました。
ユウリンちゃんは、まだポケモンたちが回復していないのでジム戦は無理なんですがね。
そんな中、プリズムタワーが点灯しました。
昼なのに、美しく輝くタワー。

「こんな気持ちの時に、ウットリって言うんだよね・・・?」

「うん!そうだね!」

「すごいね!とってもキレイだ」

R?あなた、プリズムタワーに見惚れているユウリンちゃんの横顔を見ながら言いませんでした?
まぁ、ともかく確かにこの光景は・・・、

「素晴らしいですね」

「すっげぇー!!」

私とコウダイも感嘆の声をあげます。
メイギョクちゃんは、ユウリンちゃんとの思い出がまたできたと喜び、ユウリンちゃんも笑っています。
本当に、あの戦いの後だけに彼女の笑顔が戻ったことが何よりも嬉しいですね。
しかし、この後予想外なことが起きました。
ポケモンセンターで回復したポケモンたちを受け取ると、ユウリンちゃんがミアレジムにこれから挑戦するというのです。

「ユウリン、少し休まない?」

Rがユウリンちゃんを気遣い、そう言いますが、

「私、ちゃんとみんなとバトルしたいんです」

と言って譲りません。
ああ、ユウリンちゃん、あなたは辛い戦いをさせてしまったポケモンたちに楽しいバトルをさせたいんですね。
傷つけ合うのではなく、高め合うバトルを。
ユウリンちゃんは、1度決めたらなかなか譲りません。
結局、私たちが折れユウリンちゃんはミアレジムに挑戦することになりました。
ミアレジムは別名、クイズジムと呼ばれるそうで私たちは先にジムリーダーのいる所でモニター越しにユウリンちゃんの様子を見ることになりました。
第1問目は、シルエットクイズ。
まぁ、これはすぐに分かります。
シッポからして、ピカチュウでしょう。
それにしても、ジムトレーナーとのバトルは初めてですね。
しかし、ユウリンちゃんはしっかり勝利をおさめました。
2問目は、鳥ポケモンのシルエットクイズ。
これは・・・ヤヤコマでしょうか?
ポッポではないのは分かりますが、確かスバメはホウエン地方のポケモンでしたね。
ユウリンちゃんも私と同じ答えを選び、ジムトレーナーとバトル。
なんなく勝ち、エレベーターに乗り正解。
3問目は、これはイッシュのポケモンたちですね。
炎タイプのバオップ、水タイプのヒヤップ、草タイプのヤナップ。
ヒヤップを選ぶ問題ですが・・・これは、

「んー、ヒヤップかヤナップか分かりにくっ!」

「バオップは分かりやすいけどな」

「だよなー」

ふむ。これは、3番が正解だと思いますがユウリンちゃんは何番を選ぶんでしょう?
彼女も3番を選び、正解。

「これ、何問あるんだ?」

「あ、次の問題で最後です」

コウダイが誰ともなく聞くと、ジムリーダーのシトロン君が答えました。
次が最後ですか。
さっきの問題からして、次もなかなか分かりにくいものかもしれませんね。
そして、最後の問題。

「・・・これ」

「言うな、コウダイ」

2人がなんとも言えない顔をしています。
私も多分ひきつった顔をしているでしょう。
・・・最後がこれって!
どうみたって、正解が分かりきっています!
さっきの問題はなんだったんですか!
ビビヨンはどれだと、いう問題ですが1番はバタフリー、3番はあきらかに違う。
正解は2番以外にありえない。
ユウリンちゃんも、2番を選びました。

「お兄ちゃん、チャレンジャーさん来るよ!」

今まで、クイズを出題していたジムリーダーの妹が告げにきました。
さぁ、いよいよジムリーダーとのバトルですね。
ユウリンちゃん、あなたの『絆のバトル』楽しみですよ。




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