捧げ話

□ドラマ撮影でドッキドキ!番外編again
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ハナコママの反応


「バリちゃん、そろそろサトシの出るドラマの時間よ!」

庭の掃除をしているバリヤードに声をかけ、ハナコはリビングのテレビのスイッチを入れる。

紅茶やお菓子も用意し、見る準備は万端だ。

「サトシは何の役なのかしらね?」

隣に座るバリヤードに話しかけながら、ハナコは自分の息子が出ているドラマを楽しみにしている。

そしてオープニングが流れ、ドラマは始まった。

「あら!サトシは主役なのね〜。あの子ったらなんで言わなかったのかしら?」

カツラとカラコンで、髪の色も瞳の色も違うが、さすがは母親。
すぐにサトシだと分かる。

激しいアクションシーンにハラハラし、相手の女の子との心の交流を微笑ましく思いながら、ハナコとバリヤードはドラマに見入る。

「あらあら!」

「バリ〜!」


最後の告白シーンを見て、ハナコとバリヤードは声をあげ、頬に手をそえる。

優しい瞳をしながら、相手役に告白をするサトシ。

こんな表情は、母親のハナコも今まで見たことがない。

「あの子、相手役の子が好きなのね」

微笑むハナコ。
いくら役とはいえ、サトシの性格上、あんな表情は演技ではできないだろう。

ハナコはいずれ息子が連れて来るだろう、相手役の子を思い浮かべ、笑みをこぼすのだった。



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