愛情夢恋愛 下書き
□第一話
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やあ!皆さん!どうやら俺、戦国時代にきちゃったみたいです。
って!信じるか!!
真田幸村っていったら、あの歴史上有名な真田幸村だろ!?
「あの…ところでお主の名は…?」
俺があまりにも深刻な顔をしていたらしく、真田幸村は、恐る恐る聞いてくる。
「ああ、俺は五十嵐零兎だ」
「っ!名字があるということは、何処かの御殿様でござるか!?」
やべっ!話がややこしくなった!!つか、お殿様って事はやっぱりココは戦国時代なのか…?
「あああ!間違った!俺は零兎だ!!零兎」
「だがしかし……」
「俺の事は零兎と呼んでくれ!!あと、さっきの事は忘れて!」
「……分り申した…」
かなり無理やりだったが、俺の勢いに押されたのか、真田は渋々俺の言った事に頷く。
「ま、まぁ、取り合えずこんなところで立ち話もあれだし…さっさと真田さんのいう町に行こうか!」
俺は真田さんの気を誤魔化すように両肩を掴んでぐいぐい押していく。
真田の顔ををチラッと見るように伺うと、俺の顔と目が会い、バッと勢いよく反らされた。
え…もしかして、変に感付かれた?
「真田さん?」
「……でいい…ござる…」
「え?」
「幸村でいいでござる!」
顔は背けたままだからよくは分からなかったけど、耳が赤くなっていて、照れているということが分かる。
まだ会ったばっかりで、相手にとって俺はよく分からないようなやつなのに、こうやってフレンドリーに接してもらえると凄く嬉しい。
「おう!じゃあ、幸村って呼ぶな!!」
「はい!!」
頭の周りにお花が咲きそうなほど、にこやかな笑顔に俺まで釣られて笑顔になる。
なんだか、とても癒される時間だ。
まるで、ペットと戯れるときのような………
ハッ!いかんいかん、一国を納める殿様に向かって俺はなんて事をっ…!!
大体俺、今夜の宿も探さなきゃいけないっていうのに…
戦国時代にトリップしたと知った今、こうやって考えてみると色々深刻である。
食べ物はどうするとか、金はどうするとか……
俺、生きていけるんですかね
まぁ、取り合えずは幸村の言う町に言ってみないと何も始まらないので、そう言う事は着いたらゆっくり考える事にした。
「では…零兎殿、某の町へ参りましょうぞ」
「おう!って、その馬は何だよ……」
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