愛情夢恋愛 下書き

□第三話
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シーン…と静だった部屋に響いた幸村の声。

俺はその聞き慣れてない言葉に一瞬「冗談だろ?」と思ったが、幸村の顔がやたら真剣なので本当だと思った。

戦と言う単語にまず最初に思い浮かべるのは、やっぱり殺し合いと言う事だった。


殺し合い…お互いに憎しみしか生み出さない行為。


戦国時代だから戦は仕方ないとは思うが、やっぱり平和な時代に生まれた俺はそんな事を考えてしまう。


「零兎…殿?」

「あぁ、ごめん…つい考え事をして……」

「そうでござるか…。で、相手は伊達軍にござる。」

「…伊達…軍……」


こいつも歴史上有名だな…。独眼竜の伊達政宗。
確か右目に眼帯をしていて……三日月の兜を被ってるやつだ。


「伊達軍の政宗殿はとても強くて、もう一度お手合わせしたいと思っていたとこにございます。」

「…幸村戦った事あんの?」

「はいっ!それはもう凄い人にございました!!!」


幸村は目を輝かせ俺に話す。

まぁ、幸村の様子を見れば伊達政宗はよっぽど凄い奴なんだろう。


…俺も少し会ってみたいな…


「零兎殿は危険ですので、この城に残ってもらおうと思っているでござる。ですが、一応報告しておこうと思いまして…」

「ああ…、分かった。教えてくれてありがとな」

「いえ、では某はこれで失礼するでござる!!」


正座していた幸村は立ち上がると襖まで近付き最後に此方に振り向いてそう言うと顔を少しピンクにしながら、俺の部屋から出ていった。

ダダダッという煩い音は幸村の足音だろう。

だから、走ったら危ないって……


「はぁー、疲れた…」


俺はそう呟くと、畳に眠っ転がり外を見る。

外はもう真っ暗で、チェシャ猫の口のような三日月が俺を見て笑っているようだった。

一日中歩き回ったせいで、体のあちこちがズキズキと痛む。


「あー……、ねみぃ…」


俺は静かに瞳を閉じると何処かに落ちて行くように、眠りについた。











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