こんな奴ですみません
□こんな俺でも見落とす事がある
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「これは何だ?」
「あー、それは冷蔵庫って言う…」
「これは!?」
「これは…」
あれから俺は伊達からの質問攻めで忙しかった。
まず、自分が着ている服について、『この着物はどうやって脱ぐんだ?』、『デカイ…』などと、文句を言って、その後は照明だろ。そして、俺のコレクション(BLゲーなど)について色々聞かれた。
あれは、何か辛かった…
「小人が箱ん中で何かしてるぞ!なんだ、これは!」
「テレビって言う、遠くであってる事を映像で見せてくれるやつだよ」
「It's great!!」
素敵な発音ではっきりと言う伊達に、内心ツッコミを入れながら、やっぱり反応が楽しいと思う。
小人なんて、可愛い過ぎて堪りません……、政宗様
まぁ、もうすぐ夕食の時間なので、伊達の為に何か作ろうかと思い、冷蔵庫を開けると……
そこは何も入ってない、無空間だった。
アレ?食材切れてたっけ…、ヤバッ!!
いつもなら、あまり食に興味が無い俺はそのまま食べずに過ごすが、今回は伊達がいる…。
どうするか…
「なぁ、零兎…れいぞうこの中なんて見て何してんだ?」
「おぉ、伊達…」
しょうがない、こうなれば…、最後の手段
「コンビニ行くけど、付いて来るか」
「こ、こんびに?」
伊達は可愛く頭を傾げると、カタコトで俺の言った言葉を復唱する。
あー!!可愛い過ぎるぞ!伊達ぇぇぇ
「晩ご飯買いに行くんだが…」
「OK!俺も行くぜ」
伊達は目を輝かせながら俺に言うと、急いで出掛ける準備をする。
きっと、ちょっとした冒険気分なんだろう
さて、玄関を開けて外に出た、男二人。
空はもう大部、暗くなっていた。
だが、まだ人通りは多い。
「変な所いくなよ」
「おう」
伊達は言われた通り、俺の横をピッタリと離れずに歩き、俺が止まると伊達も止まる。
……、なんっつう、可愛さっ
俺はこんなイケメンの横で普通に歩いてていいのか
俺が、こう思うのもそのはず、さっきから横を通り過ぎる、中高生や女子が伊達を見ては、立ち止まり、眺めるわで、俺が悲しい状況になっている。
伊達よりデカイ俺だが、この時は小さく感じた。
「っ、危ねぇ!」
それまでボーっと歩いていた俺だが、突然伊達に引っ張られ、俺はよく状況が掴めずに少々混乱している。
「どうした?」
「いや、何か、鉄の塊みたいなのが早いspeedで来て…」
あー、それでか…
取りあえず、俺は轢かれない場所にいたんだが、伊達はびっくりして、危険と感じた俺を引き寄せたのか。
性格もイケメンだな…、益々好みだ
「それは車って言って、早いスピードで移動出来る乗り物なんだけど、飛び出したりしない限りは大丈夫だ」
「ふーん」
「ま、何やともあれ、ありがとうな」
「You're welcome」
俺が笑うと、伊達も笑い、ちょっといい雰囲気なんじゃね?とか、思ってみる。
実際の所、伊達は思ってないだろうが…
そうこうしてる間に、コンビにはもうすぐ目の前で、『あそこのドアは目の前に立つと勝手に開くからな』と、前もって言っておく。
じゃないと、また伊達がびっくりするだろうからな。
「なぁ、本当に開くのか?これ」
「あぁ」
半信半疑で付いて来る伊達に、俺は先の出来事を想像しワクワクしつつ歩いて行く。
ウィーン…
「っ!?」
「くくっ…」
思っていたとおり、伊達はびっくりして目を見開いている。
俺が笑うと、伊達は顔を赤くしながら「なんだよ」と、睨む。
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