まさむニャン 下書き

□まさむニャン1
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ピンポーン…

「はーい」


すべてはこれが始まりだった。

俺はチャイムの鳴った玄関へ足を運ぶ。


ガチャッ
「なんです「会いたかった!!」…は?」


玄関のドアを開けると、いきなり一人の男が俺に抱き付いてきた。


「ちょっ、お前誰だよ!?」


頭が混乱しながらも、抱き付いている腕をはぎ取りながら言う。

しかし、こいつはしっかり抱き付いて離れようとしない。

が、頑丈だなっ…


「おいっ、離せ…、」

「NO!やっと会えたんだ…、離すもんか」

「やっと会えたって…、俺は知らねぇぞ、お前のこと」


俺がそう言った時、こいつの腰ら辺に何か細長い何かがついてる事に気付いた。


……しっぽっ?!!!!

茶色くて、ふわふわした毛が生えていて、その長細いモノはピョコピョコッ動いている。

俺はこいつに抱き付かせたまま、その尻尾らしきモノに手を伸ばす。


むぎゅっ
「にゃあ!!!」

「うわっ」


な、猫!?

俺は今だに掴んでいる尻尾をムニムニと握って感触を確かめる。


「ふぁっ…や、やめ」


こいつは俺の腕の中で涙目になりながら、もだえる。

やっべぇ、楽しい…かも

「や、…やめっ」

「なぁ、コレって猫のしっぽだよな?」

「そ、つか…離してっ」


腕の中にいるこいつが本気で泣きそうになったので、慌てて手を離す。


「あ、ごめん…」

「んっ…別に構わねぇよ」


やっと俺の腕から離れたこいつを見ると、頭には大きな猫耳に腰にはしっぽ、右目には眼帯がしてある。

こんな知り合いは絶対いないはずだ、うん。いたら絶対忘れない。


「んで、あんた誰?」

「政宗」

「何しに来たの?」

「恩返しだ!!」

「は?」


こいつから出た言葉をきいて、ジブ〇の猫の恩〇しを思い出した俺は馬鹿なのか…

だって、目の前にいるこいつは猫で…、恩返しって俺何かしたか?

それとも、コレは俺が見てる夢なのか!?夢なら早く覚めてくれ!!

自分の頬を思いっ切りつねってみるが、ほっぺたが痛くなるだけで、今の状況は何一つ変わらない。

政宗とかって言うこいつは、不思議そうな顔をしてただじっと俺の顔を見つめているだけだ。

大きな猫耳がペタンと垂れ下がっていて、思わず可愛いと思ってしまったが、そこはあえてスルーすることにする。

俺はそんな趣味、持ち合わせていない。








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