まさむニャン 下書き

□まさむニャン3
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「なんだコレ」

「…オムライスだ」


いやいや、それは俺でも分かる。

それより、聞きたいのはこの状況だ。

殺人があったのか!?と疑いそうな程のケチャップの量が床に散らばっている。

ヤバい、ケチャップに酔いそう…

他にも卵が何個か割れていたり、キッチンは最悪な状態だ。

俺はどこで選択を誤ったのか…


思い返せば数時間前の事だ。






政宗から家事が出来ないと聞いて、俺は正直焦った。

そうだよ!こいつ猫じゃん!?

今まで食っては寝て食っては寝ての生活だった猫じゃんっ!??

家事出来ねーじゃんか!

俺が眉間にしわを寄せていると、政宗は困ったようにオドオドしだす。


「あぁ!でも、俺、教えてくれれば頑張って覚えるから!」

「…うーん…」

「何でもするから…」


タレている耳がなんとも可愛らしくて、嫌だなんて言えなくなる。


「そうだな…。じゃあ、今日は俺と一緒にご飯作るか」

「Thank you!!零兎!」

「掃除とかはまた今度教えてやるから」

「おう!」


…素敵な笑顔をありがとう

政宗は本当に嬉しいのか尻尾をピンッとたたせていて、ニコニコ笑っている。

あー、今から色々大変そうだ。


「じゃあ、今から昼ご飯作るけど、お前なんか食べたいのある?」

「うーん、かつおぶし!!」

「…お前に聞いた俺が間違ってた」


取りあえず材料をチェックする為にキッチンへ向かう。

俺がキッチンへ向かうと政宗も俺の後ろをトテトテとついてくる。

なんか、親鳥について来るヒヨコみたいじゃね?

冷蔵庫を開けると、卵と鶏肉と玉葱とケチャップがあった。

コレは俺にオムライスを作れということなのか…


「オムライス…作るか、政宗もそれでいいな?」

「お、おう」


そうと決まれば早速調理だ。


「政宗はエプロン着て、手ぇ洗ってこっちこい」

「…このピンク色の布を着るのか?」

「ごちゃごちゃ言わずに着ろ!そりゃあ、俺の親が買ったんだよ!!」

「…分かった」


政宗は不満そうにエプロンを見つめた後、渋々そのピンクエプロンを手に取った。

これで準備OK!ピンクエプロンが妙に似合っている政宗はスルーして、さっさと作ろうと思います!!


「ほら、こっち来て俺が作るの見ろ」


俺がそう言うと政宗は素直に言う事をきく。

うんうん、それでいいんだ!!お前はイイ子に育ってくれ…


「…これをこう切るんだ…んで…」

「零兎って料理作るの慣れてるな」

「まぁ、男で一人暮らしでもしてたら料理なんかしょっちゅうやってるしな」


そう言いながら俺は材料を着々と切っていく。

政宗はそれをしっかりと見て頭に叩き入れているようだ。

さっきから難しい顔をしている。

可愛い奴…

……

……スルーだ、スルー…可愛いだなんてこれっぽっちも思ってねぇぞ!俺は


「なぁ、腕が止まってるぞ」


政宗に声をかけられて我に戻る。

あぁ、ヤバいヤバい
ちょっと混乱したぞ…コラ







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