こんな奴ですみません
□こんな俺でも見落とす事がある
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「ほら、早く来ないと挟まれるぞ」
「Really!?」
俺は冗談で言ったのに、伊達は急いで俺の元へ来ると、俺の袖を掴んで自動ドアを鋭く睨む。
なんて言うのかな、この気持ち…
うん。…コンビ二の中だけど襲っていいかな?俺の袖なんか掴まれたら、俺、理性と言う名の糸がきれちゃうんだけど?
「零兎?」
あまりにも、俺が無反応だった為か伊達は心配したのか俺の名前を呼ぶ。
「あぁ、ごめん、ちょっと…な」
「はぁ」
「さ、買うぞ」
とりあえず、どうにか伊達を誤魔化して、小さな空間で適当に弁当などを見ていく。
んー、あんまり腹減ってないからなぁ
サンドイッチでいいか
ふと、伊達を見ると俺が持っているサンドイッチを興味深げに凝視していた。
「どうした?」
「なんだ?それは」
「あぁ、これ?」
持っていた、サンドイッチを持ち上げて伊達に見せる。
「Yes、見たことが無い…」
「おいしいぞ?」
俺がそう言うと、伊達はあまり信じてないようで、ほかの棚を見ている。
まぁ、確かに見た目はあまり旨そうには見えない。
「ふーん…、俺はこれが気になる…」
「…、か、カツ丼…だと…!」
そして、伊達が指差したのは、見た目が旨そうなカツ丼だった。
流石、殿様…
「駄目か?」
いやいや、そんな潤んだ目で見られると嫌とは言えないんですが…
「いや、いいけど」
「Thanks!!零兎!」
ぐはぁっ!
伊達の可愛い過ぎる笑顔に俺は1000のダメージを受けた!!
こんな調子でこの先やって行けるか不安だが、伊達はマジ可愛いので絶対に一回は食おうと心に固く誓った、俺だった。
「さて、食いモンも飲み物も買ったし…、帰るか」
「そうだな」
ある程度、食品を買った俺は帰ろうと、自動ドアの前に行き、店員の『ありがとうございましたー』の声を最後に店内をちらりと見る。
そこで俺は凄いものを見つけてしまった。
「っ…!!」
『戦国BASARA3 発売中』
今、俺の横にいる伊達がそのまんまポスターになっている。
そんなんアリかぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!
伊達の顔を見て、再びポスターをみるが、やっぱり伊達だ。
つまりは、今ここにいる伊達は戦国BASARAの伊達って事で昔の戦国武将の伊達じゃない。
もう、アクションゲームなんてやってない俺には分かりようが無いじゃないか…
そこで、頭に手をあて盛大な溜め息を吐く俺。
「…なぁ、さっきから本当に大丈夫か?」
腕を掴まれ、心配そうな顔をする伊達。
自分が俺に迷惑をかけていると思っているのだろうか、申し訳なさそうな顔をしている。
「大丈夫だから、あんま気にすんな、さ、帰るぞ」
「ぉ、おぅ」
まぁ、可愛いから伊達がゲームの世界から来たなんて、今更そんな事は別に気にしない。
ただ、今度その『戦国BASARA』と言うゲームを買ってやってみようと思っう。
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