まさむニャン 下書き
□まさむニャン5
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俺は人にペット用の首輪とか付けたりするような悪趣味は持ってない。断じてっ…!
なのに、こいつはどうして俺をそう言う風な人間のようにさせたがるのか…
「零兎!首輪が欲しいっ!!」
「…嫌」
「何でだよ!俺にsuitな首輪pick outしてくれよ!!」
「嫌ったら嫌」
どこから覚えてきたのか、政宗は今日の朝からずっと『首輪が欲しい!』と言い張るのだ。
その度に駄目だと即答するのだけれど、中々言うことを聞いてくれない。
政宗を見ると潤んだ瞳とペタンッと倒れた猫耳で俺の顔を見詰めて『駄目?』と頭を傾けている。
……そんな可愛い顔したって駄目だからなっ…!
俺は何時にも増して可愛い政宗を極力見ないようにして傍を離れると、ソファーにドスンと腰を降ろした。
そして当たり前のように政宗は俺の後をついてきて横に座る。
「本当、一生に一度のお願いだから!」
「…なんでそんなに首輪が欲しいの…」
「それは…」
今日いきなり言ってきたこの事に何か大事な理由があるのかと、俺は取り合えず政宗に訪ねてみた。
しかし政宗はその質問には答えず、俯いて何やらモゾモゾとしている。
「特別な理由が無いなら要らないだろ?」
「…っ……」
「俺もあんま金がないんだし」
そう言って政宗の方をみたら、いつもピンピンに立っている猫耳と尻尾がふにゃんと下がっていた。
その光景に思わず悪いことをしたかなと思ったりもするが、正直男子に首輪とか無理だと思うし無駄遣いも出来ないので黙っておく。
すると、政宗は俺の方をみて
「そうだよな、此処に居させてもらってるだけでも有り難いのに……、無理言って悪かったsorry」
と、悲しそうに笑った。
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