まさむニャン 下書き
□まさむニャン6
1ページ/2ページ
あの土砂振りの雨から相合い傘をして帰ってきたあと、俺はびしょ濡れの政宗をフワフワなタオルでガシガシと拭いて、お風呂にお湯を沸かして入れてやった。
風呂を沸かす間、外で抱き締めてしまった事とか色々あって俺は政宗の為に買って来た首輪を隠して渡すことが出来ずにいる。
「くしゅんっ…!」
「大丈夫か?」
「あーなんかvery cold」
帰った途端に急いで拭いて暖かく暖をとってやったが、政宗は体をブルブル震わせてズビッと鼻水を啜る。
あーこりゃ確実に風邪引くわ…
なんて、思いながら押入れから毛布を取ってきてソファーで丸くなって座っている政宗に優しくかけてやる。
「多分、風邪引いたんだよ…、あんな土砂降りのなか傘もささずに歩いてくるから」
「sorry…」
「もういいよ、それよりなんか温かいの飲むか?」
「…んー、ココア飲みたい」
「分かった」
俺は政宗の頭を軽く撫でるとソファーから立ち上がり、ちょっと待ってろよと言ってキッチンに向かう。
やかんにお湯を沸かしてコップにココアの粉末を入れる。
キッチンから政宗の様子を伺うと、政宗は体を横に倒してくしゃみを繰り返ししている。
あんな雨の中俺の為に傘を持ってきてくれるなんて…本当、馬鹿らしいと言うか愛らしいというか…
やれやれと頭を左右に振って沸いたやかんのお湯をコップに注いでココアが出来上がると、それを持って政宗の傍までいく。
「具合は?」
「…頭、痛い…」
結構キツそうにぐったり寝て言った政宗の近くに俺はしゃがむと、手にもっていたココアを一旦机の上に置き右手を政宗の額に当てた。
「結構熱いな…薬、飲めるよな?俺取りに行ってくるから安静にしてろ」
「やっ…!」
「…政宗?」
政宗の言葉に立ち止まりソファに振り返ると政宗は毛布から腕を伸ばして俺の服を掴んでいた。
「…今は零兎と一緒にいてぇ」
やっぱり猫耳はいけない…。ぺたんと下がって必死に見上げてくる政宗はどうしようもない色気が立ち込めていて変な気持ちになってくる。
もう俺も末期だな…
「分かった。お前が寝るまでずっと傍にいてやるから安心して寝ろ」
「Thank you.」
俺が傍に座ったので安心したのか政宗は俺にお礼を言うと少し笑って目を閉じた。
.