短編 下書き
□猫アレルギー
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「猫耳っていいよな〜」
「あー分かる分かる!!超エロいよな〜」
俺の横を通り過ぎるオタクらしき男二人組が、そんなことをいう。
よくわからん!!猫耳の何処がいいんだ!!!
あー、思い出しただけで鳥肌が立つ。
大体、俺は猫アレルギーだから『猫』っていう単語を聞くだけで……あああああああ!!鳥肌が!!
「零兎ちゃん?どうかした?」
「あ?あぁ…、いやちょっと考え事しててな…」
俺に話しかけて来たのは猿飛佐助という、俺と同じ会社の同僚で友達だ。
オレンジ色の髪の毛を緑色のカチューシャでオールバックにしていて、はたから見ればまだ学生にも見える。
顔も可愛いから、会社の女にはモテる。まぁ、俺も結構モテる方だけど…
「でも、猫って可愛いよな」
「な、なななななっ…何言ってんだよ!!佐助」
「え?だって可愛いじゃん…ついでに、俺様も猫耳好きだぜ?」
「…ありえねぇ………」
俺は納得が出来ねぇと、ぶつぶつ呟きながら佐助と別れた。
「はぁ、今日も一日疲れたなー」
俺は自分が住んでるマンションの階段を登りながら、一人呟く。
ここのエレベーターは9時過ぎると動かなくなる。
だから、会社帰りで遅い俺はいつも階段。部屋は5階にあり、ココに住み始めてから何年かでかなり脚に筋肉がついたと思う。
「エレベーターが欲しい……」
まぁそれは置いといて、やっとの思いで自分の部屋の階にたどり着きさっさと寝たくて早歩きで部屋のドアまで行くと………
「なんだ?コレ」
ドアの取っ手に袋がかけられていた。
人違いか?…名前とか書いてないよな?
俺は袋の中にある手紙を取り出してみる。
「えーと?……『猫嫌いなアナタへ』…って俺!?」
訳が分からないけど、取りあえず猫嫌いって事はあってるし…部屋ん中でゆっくり読むことにした…
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