短編
□明日はまだ…。
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「う…ん。」
目を擦りながら時計をみると、午前3時半だった。
やけに秒針が大きく聞こえる部屋は、まるで見えない何かに潰されていくような感覚まで感じさせる。
自分でも、何故こんな時間に起きてしまったのかわからない。
でもひとつだけわかること、それはー…
「リョウ、まだ帰ってこないわね。」
リョウは二日前に「ちょっと行ってくる」と行って出ていった。
どこに?とか、私はあえて聞かなかった。
とゆうより、聞いてはいけなかった。
リョウの居場所を知っていれば、私は今こうして布団に入っていることなんて出来ないだろう。
いてもたってもいられなくなって、リョウのところに行ってると思う。
でも結局、役立たずの足手まといになるだけだ。
何も出来ないまま、ただただリョウの後に隠れてるだけ。
普段どんなにふざけあうことができても、“仕事”になれば一瞬もすきは見せられない。
だから、この世界ではド素人な私がリョウのそばにいることは許されない。
でも、それでも離れたくないと思ってしまうから、
だらだらと一緒にいる年月がたってしまった。
もうすぐ
もうすぐ
もうすぐいなくなるから、それまではそばにいることを許してほしい。
貴方がいない家で、貴方の帰りを待たせてほしい。
…そう、それがたとえ明日までだとしても。