長編

□太陽と月
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あぁ、暑っ。
暑・す・ぎ・る・っ!!
寒かったことなんて、一度も無いけど。
何故ならここは、蒸し風呂状態の礼拝堂。
私は、来たく無かった。
面倒くさいし、疲れるし。
大体、つまんねーことしかしないし。
だけど来なきゃあ、罪になり罰則があるから。
そう、これは世界的宗教だから。
そうやって自分を、納得させないと来られやしない。
あぁ、もうダメ、段々意識が朦朧として来た。
少しぐらい寝ても大丈夫、だよね?
じゃあ、真面目にやってる人には悪いけど、おやすみなさい。


ハァ、溜め息つく俺。
いやだって、面倒くせぇんだよ。
コレ。
何百という、歴史書の束!
なぜ、それが溜め息に繋がるかといえばっ!!
何世紀にもわたる歴史を、一人で読み返し、たった一冊をまとめる・・・というムチャ極まりない作業。
命令した上司にムカついて来て、イライラするのも疲れてついた溜め息。
あ〜、どこまで読んだっけ?
あぁ、世界最初に光のことを調べて、王様に報告した記録までか。
って全然、進んでねぇじゃん!
まだ、全体の二割読んだだけ。
あと、八割残ったまま。コレが延々と続くと思うと、嫌気が差してくる。
時間だけが進んでいく一方。
仕事なのに。
あ、やべー眠くなってきやがった。
少し仮眠とるか。
また、上司に怒られるが。


誰しも知ってる、夢の世界に居るんだって、生きているんだって。
皆、夢に魅せられてるって。
でも、私はこれが初めてのこと。
生まれ初めて素敵なプレゼント。
しかも、大天使からの。
それは・・・


夢の中で誰かに、何かを渡された。
ソイツが放つ、眩し過ぎる位のあの光は見たことが、無い。
オレらの世界には、全くない光。
渡された物も光ってて、何か分からない。
確かめる前にソイツは消え、夢も消えた。
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