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□大人の聖書
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「ふんんん!!!」


万事屋の押し入れの中、大きく両手を広げ猫のように伸びをしながら綺麗な桃色の髪の毛を揺らす。

「ふぁぁあ…」

あぐびをし押し入れからヒョイッとでると居間の方から新八の声が聞こえた

「ちょと銀さん!机の上片付けて下さいよ。いつまでダラダラしてんですか」

「ぁぁ?んだよウッセェなあ朝っぱらからよぉ。そんなに片付けてたいならお前が片付けてろ」

「ナンなんだよアンタは!アンタが散らかしたんでしょうが!しかも、もう朝じゃなくて昼だから!!まったく…じゃあこのジャンプ捨てちゃっていいんですね。」

新八は机の上にあるジャンプをバサバサと片付けはじめた

「なっちょっちょと待てー!!!テメェこの駄眼鏡!俺の大事なジャンプ捨てようとしてんじゃねぇよ!しばくぞコラァ!!」

「捨てられて困るようならちゃんと片付けたらいいじゃないですか!」

へぃへぃわかりましたよ〜と銀時は渋々机の上を片付けて始めた

ガラガラ…

「お前ラ朝っぱらからうるさいアル…これだからガキは嫌なんだヨ」

「あ、神楽ちゃんおはよー。」

「っだ神楽ぁ!テメェのがガキだろが!いつまで寝てんだ!お前も手伝え糞ガキ!」

そう言いながら銀時は机の上にあったゴミを神楽へ投げつけた

「新八ィーご飯まだアルかぁ?お腹ペコペコネ、もうお腹と頭がくっついちゃいそうアル」

「ォィイイ!シカトかコラァ!しかも頭じゃなくて背中だろぉー!お前はエビかあ?エビなのかコノヤロー!!!」

「ああ、もうちょっと待ってね、あとお味噌汁つくるだけだから 神楽ちゃんも銀さんもちゃんと片付けてて下さいね」

新八は忙しそうに昼ご飯の準備をしに行ってしまった

「なんダヨあの駄眼鏡ぇ…お昼抜きなんてワタシ死んじゃうアル。銀ちゃん早く片付けるヨロシ」

「テメェも手伝いやがれ!!この大食い娘が!」


バシィっと神楽の頭に酢昆布の空箱をぶつけた


「痛ァ…何するアルか糞天パが、天パのせいで脳みそまでくるくるアルか、死んだ魚みたいな目して脳みそまで死んだアルか、くるくるで腐った魚アルか」

そう言いながら近くにいた定春を銀時へ投げ飛ばした

「オブシャァアア!!!」

ドスーンという音とともに銀時はいきなり飛んできた定春に潰された


(何コイツ反抗期ィ!?家庭内暴力だよこれやばいよ暴力団だよやばいよ俺こんな子に育てた覚えないよおお!?!?)


ブツブツと言う銀時にチッとしながら片付けを始めた。ガサガサと本を片付けていると何かが目にはいった

「銀ちゃんこの本何アルか?」


「ああ?」


「……………」


「何で裸の男と女が抱き合ってるアルか?」





(オイオイオイオイ!!何で俺の性書…じゃなくて聖書がここにあんだよオ;;!!!!しかも何が嫌でコイツに説明しなきゃなんないんだよォ!!どうするよこれどうすんだよ俺ェ!ェェ!!)


「銀ちゃん?」


「こ、これはだなぁ神楽。裸でプロレスしてんの」
「何で裸アルか?」


「何でって……そ、そりゃあ大人だからよ大・人!!テメェみたいなガキには関係ない話なの!わかったらかせそれ…」

性書…いや聖書を取り上げようとしたが

「ガキガキうるさいネ!!ワタシもう立派なレディーアル!!ワタシだって裸でプロレス位できるネ!!」

テンパる銀時をよそに、聖書を取られないように両手でガッシリ掴んだ

「ォィイイ!!おまっ何言ってんのか分かってるー!?お前はガキなの!!これは大人じゃないとしたら駄目なのぉ!しかもお前にはまだ無理だよむぅ〜り!!!」

焦りながら銀時はバッと神楽が掴んでいる物を奪いかえした

「銀ちゃんひどいネ…銀ちゃんワタシの事いつもガキ扱いしてばっかアル」


大きく綺麗な青い瞳をウルウルさせながら銀時を下から見つめる

(なっ!!なんちゅう顔でコッチ見てんだよ可愛いじゃねえーかコンチクショー!!)


「あ、あれだなオイ。そ…そんなにヤリたいってぇんなら…俺が教えてやっても構わねえんだが…な」

顔を赤くさせ手で口を抑えながら銀時が言うと
その瞬間、今にも泣き出しそうだった瞳はパァッと輝き

「まぢでカ銀ちゃん!!大好きアルゥゥウー」

ガバアッと銀時の胸に抱きついた


「っちょ、神楽ぁ///」
(……あ〜あ、俺何考えてんだよ、コイツ意味全然分かってねぇよ)


「銀ちゃぁぁん」


猫のようにすり寄ってくる小さな体が愛しくて
離さないように優しく自分の両手で抱きしめた




「何言ってんですか銀さん」


「あ、あれ;?新八くん?いつからいたの;;?これは違うからね、あれだよ、コイツがガキ扱いされんのが嫌っつうから……」



「黙れこの糞ロリコンヤロー!!!!!!!!!」



ドコーン


「さ、行きましょ神楽ちゃん。こんな人間の側にいたら危ないから」

「えー新八まだご飯食べてないアル」

「今日はお外で食べましょうね。あ、それと定春もつれておいで、今日はウチに泊まろう」

「まぢでか!きゃっほおい☆わかったね定春いくアルよー!!!」




ガラガラ…ピシャン ―




ポツンと残されたロリコン一人…







「…………はあ…。」







「ったく、どうしろってんだよォオオオ!!!!!!!!!!」







END
 

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