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□バカなアイツ
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「ねぇ、君なにしてんの?1人?暇ならお兄さん達と一緒に遊ぼうよ♪」
不意に後ろからかけられた声に振り向く。
「んあ?」
後ろに振り返るとそこには10代後半であろう男が2人たっていた。耳にピアスをジャラジャラつけ、髪の毛は染めたのであろう金髪
(チャラチャラした男は嫌いアル。)
「ワタシ今忙しいネ。」
素っ気なく答えるとくるりと向きを変え、男達に背向けた。するといつの間にいたのか目の前にも男が3人立っていて囲まれてしまった。
「連れないなぁ〜。ちょっとだけお兄さん達と遊んでよ。」
後ろにいた男の1人が肩に手を回してきた。その手をすぐに振りほどき、キツく男達をにらみつける
「お前ら、耳ついてるアルか?ワタシは今忙しいって言ってるアル!!!」
男達はそれでもどこうとはせずに、ニヤニヤとにやけていた。透き通った白い肌、変わった桃色の髪の毛、綺麗な青い瞳…そして整った顔立ちの少女を舐めまわすように見つめる。すると再びリーダー各である1人の男が肩に手を回し喋りした
「………俺達についてきたら、すごく楽しい事教えてあげるよ。」
「楽しい事…?楽しい事って何アルか!!」
コロリと態度を変え、その言葉に食いついてきた少女を見るとニヤリと笑い、耳もとで囁いた
「……初めはちょっと痛いかもしれないけど、慣れたら病みつきになって辞めれなくなっちゃうような事だよ」
「まぢでか!!そんなに楽しい事アルか!!早く行くアル!!」
瞳を輝かせる少女に、男達はアイコンタクトをとる。
「じゃあ、行こうか♪」
するりと肩に回していた腕を腰に回した時…首筋に冷たい鉄の感触が走った
「おいテメェら。俺も混ぜてくれよ。その楽しい事やらによぉ…」
男達は振り返るとそこには、幕府特別武装警察、真選組の隊服に身を包んだ黒髪短髪の男が、刀をコチラに向け立っている。
「……幼児誘拐でテメェら全員しょっぴくぞ。」
男達は彼の恐ろしい顔見みるなりに青い顔をすると、それぞれに言い訳を残し逃げていった。
「あ!!ちょっ!何処行くネ!!!」
男達を追いかけようとする少女の腕を掴む
「待てコラァ!!!!お前何してんだっ!!」
「トッシー何してくれたアルかぁ!!みんな逃げちゃったアル!!!せっかく楽しい事教えてくれようとしてた良い奴らネ!!!」
「良い奴らな訳ネェっだろ!!!あとトッシーじゃねぇ!!!!テメェは誘拐されてぇのか!!!」
「誘拐とか人聞き悪い事言うなヨ。犯罪者はお前だけで十分アル。……はぁ…」
「誰が犯罪者だっ!!!!!人は助けてやったってぇのに!!!…ったく。ため息付きてぇのはコッチだ。…糖分ヤローはどういう教育してんだよ。何かわからねー快楽何かで釣られてんじゃねぇ。」
「何でお前がため息付きたいアルか!!それに助けてなんて言った覚えないネ!!!楽しい事したかったアル…」
楽しみを奪われた子供のようにふてくされた態度をとる神楽をみて、土方はハァ…とため息をつく。
「お前なあ…」
土方はお気に入りのタバコに火をつけた。
「ふぅ〜〜。とにかくもう知らない奴に何言われようが付いてくんじゃねぇぞ。いくら夜兎族だからと言ってもテメェも一応女だからな。」
「一応は余計アル。それより………手。」
「あ?」
「手ぇ話すヨロシ。」
「ぬぉっ!!!!悪ぃ…」
土方はずっと神楽の手を掴んだままだったのだ。離そうとしたが、何かを思いついた
「……約束したら離してやるよ。」
「―はあ?!!!いから離せヨ」
振りほどこうとするが、余計に強くつかまれる
「だめだ。…約束しろ。知らない奴に二度と付いてくんじゃねぇ」
いつになく真剣な顔をする男になぜが一瞬、一瞬だけと…胸のあたりがざわついた。
タバコの煙が顔にかかる。
「わ、わかったアル…!!約束するから離せヨ……!!」
「ふっお前にしたら素直じゃねえか」
珍しく笑みを浮かたと思うと、土方は手を解放じ煙草を地面に落とし踏み潰す。
「もう行くアル。」
「おう。」
新しい煙草を出すとまた口もとに運ぶ。
カチッ
「フゥー―――。」
いつもより長く煙を吐く。
(あのガキ…。ほっといたら何処へでも行っちまうなァ)
再び巡回にもどろうと……
「お嬢ちゃん。美味しい物食べさせてあげるから一緒にこない?」
「行くアルゥ〜♪」
「コラァァァアアア!!!!!!!怒」
その日から少女から目が離せなくなったのは言うまでもない。
END