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□ポリゴン
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「ヅラァ。何しにきたアル。今日エリーはどうしたネ。」




「ヅラじゃない桂だ。エリザベスはバイトにでていてな。今日は別々だ。」



「エリーにバイトさせてお前は何してるアル。」




酢昆布をかじりながら神楽はそう言うと、万事屋に来た桂小太郎に一応お茶をだす。



「いや…ちょっと銀時に用があってな。」



「昨日銀ちゃん仕事だって言ったはずアル。もうボケたアルか。」



「そ!そうだったな!リーダー…すまぬがまたここで待たせてもらえぬだろうか。」


ワザとらしく答える。
銀時がいないのを見計らってリーダに逢いに来たとは、口が避けても言えないだろう。


「はあ…しょうがないアル。」



「今日はリーダー人なのか?」



「ああ〜。新八は定春の散歩行ったアル。」



「そ…そうか。」





――――
どの位たったであろう。
沈黙が続く…。

少女は雑誌を読み続けていた。



何か話さなくては



「…リーダー」


その時だった



ダンダンダンダン!!



凄い勢いで万事屋の階段を上ってくる無数の足音。




「…!?」



「ヅラッ!!!税金泥棒がきたアル!!!!!」



先程まで読んでいた雑誌をバッと投げ出すと、桂の手を引っ張る。


ドキン



不覚にもその行動に胸が高鳴る。



「何してるアル!!!お前指名手配犯ダロ!?早く逃げないと捕まるネ!!!」


「あ、ああ…すまな…」

「コッチアル!!!!」



グイグイと強い力で引っ張ると、自分の寝室である押し入れに桂を押し込んだ。


「リーダー!!!」


「ここにいるアル!!」



そう言うと勢いよく押し入れを閉めた。



ガラガラガラガ!!!



「御用改めである!!!!桂ァァァァ!!!お前がここに入って行くのを見たと言う通報が入ったァ!!!大人しくお縄につきやがれ!!!!!!」



入ってきたのは真選組副長、土方十四郎と数名の隊員。



「お前ら警察のクセに人様の家に上がる礼儀もしらないアルか。」



土方の目の前には万事屋のチャイナ娘が酢昆布をくわえながら怪訝な目をして立っていた。



「オイ。桂小太郎が来ているはずだ。大人しく引き渡せ。」



「知らないアル。誰もきてないアル。ワタシ一人アル。」



(コイツ、桂をかばうつもりか…………?)



「すっとぼけてんじゃネェ!!!万事屋はどうした」


「騒ぐなヨうるさい。銀ちゃん仕事行って眼鏡は定春の散歩行ったネ。」


(………って事は…。



桂とコイツは2人っき……)



「さっさと帰れヨ。税金ドロボー。」



「………。上がらせてもらうぞ。桂がいねぇってんなら別に見られても構わしねぇだろ。」



なぜか桂と少女が2人っきりだったという事が気にくわない。


ズカズカと部屋に入り、色々な部屋を開けはじめた。


「なっ!!勝手に入るなヨ!!!!」

「うるせー。アイツをかばうならお前も務所行きにすっぞ。」


「だからっ!!!桂なんて知らないネッ!!!!」


神楽は土方を止めようとするが振り払われてしまう。



(……リーダー。アイツと何を話しているのだ…。)


桂はと言うと、神楽の押し入れの中から聞き耳を立てていた。



「ふんッ言ったダロ。ここにはワタシだけネ。」



一通りの部屋を確認した土方に言った。



「…………ッチ。」



「さっさと帰るヨロシ。」


「副長…本当にいないみたいっすよ。取りあえずここは引き上げましょう。」



「まだだ。まだ1つだけ見ていない所がある。」



土方は神楽の押し入れの方を指差して言った



「なっなに言ってるアル!!!お前少女の部屋まで覗く気アルか!!変態アル!!」


「そうですよ副長;;!!いくらなんでも女の子の部屋に……」


「うるせー。」


止めようとする隊員達を睨みつける。

いつになく鋭い睨みに後ろに引いてしまった。



(駄目アル〜!!!!)



土方が押し入れに手をかけようとした時


「ちょちょちょ!!!何やってるんだ//////!!!」

隊員達のざわつきに振り返る


「汗かいたから着替えるアル!!…お前らそこで見てるつもりアルか。銀ちゃんにボコボコにされても知らないアル。」


そこにはいつも身につけているチャイナ服を脱ぎかけている少女がいた。


「ブッ………!!???何やってんだテメェ!!!!」



土方は急いで自分の着ていた隊服を少女にかぶせた。



「お前らは見てんじゃネェ!!!!!!!」



いきなりの神楽の行動に、釘付けとなっていた隊員に刀を向ける。


「す、すいませんんんんん!!!!!;;俺たち先に外出てますんで;;!!!」


ドドドドドドドドド



「ぶふふふ!!あいつらガキね!!お前も早く帰るア…………………何だヨ。その顔。」
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