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□お疲れ様でした
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「…と、言う訳で!!!今年一年!!本当みんなご苦労だったな!!今日はパァッと楽しもう!!」
―カンパ〜イ!!!!―
近藤の挨拶を合図にそれぞれに杯を交わし、勢いよく飲み干す。一升瓶をそのまま流し込む奴や、ちっちゃなおちょこでチョビチョビ飲む奴。
場所は真選組の屯所内。
今日は真選組の忘年会だ。
「何でテメェらがココにいんだよ。」
「す、すいません土方さん;。3人で晩御飯の買い出しに出た時、ちょうど近藤さんに逢って…誘われたんです。」
新八は不機嫌な土方に申し訳なさそうにお酌をしながら答えた。
「っんだマヨラー!!ヒック。俺達がいたらいけねぇってかぁ!?ああ?ヒック。忘年会ってななぁ!!一年間頑張って生きた奴なら誰だって歓迎なんだよ!!なぁ神楽ァ!!ヒック」
「銀ちゃん。もう酔ったアルかあ?情けないアル。あ、多串君ソーセージおかわりヨロシ?」
「テメェらなぁ!!!!!今日は真選組の…「まぁいいじゃないかトシ!!」」
怒りを露わにする土方の肩を掴むと近藤は言った。
「大勢で飲んだ方が楽しいじゃないか!!それに、沢山の人に飲まれる方が酒も喜ぶだろうよ。」
「………ったく。近藤さんは人が良すぎるぜ。オイお前ら。今日は近藤さんに免じて…」
「銀時君。そ、その、例の…お妙さんの生写真の方は…」
ドゴォォオオオン!!!!!!
「テメェはソレが目的かぁぁあああ!!!!!」
土方の鼻フックによって近藤は遠くの襖と共に吹っ飛ばされた。
「近藤さんんんん!!!」
新八は飛ばされた近藤のもとへ駆け寄る。
「落ち着いて下さい土方さん;;!!!せっかくの忘年会何ですよ?みんなもお酒を飲むの楽しみに仕事頑張ったんですから!万屋屋の旦那達も、今日は大人しくしてて下さいよ?」
ジミー事、山崎退が一升瓶を担いで土方達をなだめる。
「おお、ジミー君!!ヒック。今日はあの、ヒック。どS野郎はヒックどうひたぁあ。」
「ジミーじゃないです!!!!旦那ぁちょっとペース速すぎなんじゃないですかあ?沖田隊長はまだ巡回からかえってなくて…」
「そういや総吾の奴遅ぇなあ。」
「サドの事アル。そこらへんの公園でサボってるネ。」
神楽はそう言うと日頃ありつけないご馳走を次々と口に運ぶ。
「〜ヒック。万屋屋のチャイナさぁぁん。」
振り向くと声を掛けてきたのは数名の隊員達。
「むぐぐ。何アルかあ?」
「ヒック…近くで見ると、ヒック。ますます可愛いっすねぇ〜。」
「オイオイ。それ俺が言おうとしてたんだぞコラァヒック。」
「チャイナさあんヒック。こっちで一緒に飲もうよおヒック。もっと沢山美味しい物ヒックありますよぉ」
男達は、悪酔いしたのか、神楽の周りに集まりだした。
それを眉間にしわを寄らせる男が二人…
「美味しい物アルか!!行くアルゥ!」
「「…………お前ら」」
「へ?」
ゴシャァアアアアン!!!!!!!!!
銀時と土方の連携プレーによって全員近藤と同じ所に吹っ飛んだ。
何してるんですかあんたらぁ!!と遠くで新八の声がしたが気にしない。
「オイオイオイ。土方くぅんヒック。何?そんなに怖い顔しちゃってぇヒック。もしかしてうちの神楽ちゃんの事がヒック…」
「馬鹿言うんじゃねえよ。俺は警察として…テメェこそ保護者だとは思えねぇ態度だったようだが?」
「ああ?」
「何だテメェやる気かあ?」
「のぞむところじゃねぇかぁ。神楽ちゃぁあん。ヒック。こっちおいでぇ」
「何アルか銀ちゃん」
銀時は両手を広げると、神楽は銀時の膝の上にちょこんと座った。
「…!!!」
(糞ロリコン野郎…ぶっ殺す!!!!!!)
その光景を見た土方と山崎は同じ感情を抱いた。
それをまた銀時は勝ち誇ったようにニヤケながら神楽を抱きしめる。
「銀ちゃん。」
((…っち。))
「ちょっ銀ちゃ…?」
((………?))
「どうしたアルかっ…?ひゃあ…!!やめ…!!」
((……///!?))
「ふっ…銀ちゃ……何で首舐め…」
「神楽ぁ……可愛…」
ドゴシャァアアアアア!!!!!!!
「「何してんだテメェェェェ!!!!!!!!!!!!!!」」
調子に乗りすぎた銀時を土方と山崎が本気の蹴りを送った。
土方は銀時の胸ぐらを掴むと二人でギャーギャー喧嘩を始める。
周りも酔いが回り始め屯所内は大騒ぎ
「チャイナさん大丈夫;;??ほら、。これ飲んで。」
山崎はグッタリとする神楽を抱き起こすと机の上に置いてあったコップとると、中に入っていた液体を飲ませる。
ゴクゴクゴク ―。
「ぷぁっ…」
「……チャイナさ…」
(あれ……?何かいつもと違うくね?ヤバい…そんな顔で見つめられたら。何か艶っぽ…)
「ジミー。」
――――ちゅ
「「「「!?!?!?!?!?!」」」」
騒がしかった屯所内が一気に静まり返える。
その原因の先には唇が重なりあう2人…
神楽が山崎の頭を引き寄せ己の唇をあてたのだ。
掴み合いをしていた銀時と土方も動きを止めて固まる。
「〜〜〜///!?」
ぷはっ
やっと解放された山崎は状況が飲み込めないようだが、数秒すると顔を真っ赤にさせてドサリと倒れた。
「…………神楽?」
「………銀ちゃあん」
倒れた山崎を踏みつけながらヨロヨロと銀時の方へ向かうと潤んだ瞳で見上げる。
ドクン…
「銀…ちゃん…」
――――ちゅ。
神楽は銀時の唇を奪ったのだ。
微かにアルコールの匂いがする。
(!!!!!イヤイヤイヤイヤ神楽ちゅあああん//!?君キス魔ぁ!?銀さんそんなんされたら…)
バターン!!!!!!!!
不覚にも思わぬ少女の行動にあっけなく倒れてしまった。
「オイっ;!!!お前!!酒飲んだのかヨ!?山崎の奴…!!!水だ!水!!」
神楽の肩を両手で掴むと土方は青ざめた顔で水を探しキョロキョロとする。
「トー…」
「あ?ちょっと待てよ!今水を」
「トーシロー…ちゅうして…」
「は//////////!?!?」
「キスアル…」
「ちょっ!!ま…まて//!!!!!」
薄いピンク色の唇が近づいてくる。
周りの野次馬隊員達は息をのんだ。