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□君以外
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「うわ〜寒い。神楽そんなとこいたら風邪引くよ。中に入りなよ」
そう言いながら屋上の扉から入ってきたのは、自分と似た髪色の男。
「ほっとけヨ。」
「何怒ってんの?」
別に怒ってなんか…
いつものようにニコニコしながら近づいてくる兄、神威を睨みつける。
今日は風が冷たい。
「兄ちゃん」
「ん?」
「…やっぱ何でもないアル。」
「ん〜馬鹿は風邪引かないって言うし、神楽は大丈夫だね。」
神威はポンッと神楽の頭を軽く叩くと、優しく撫でながら言った。
「馬鹿とは何ネ馬鹿兄貴。それより!!!」
「何?」
「朝…そよちゃんと中良さげに何話してたアル。」
「そよちゃん?誰だっけ?」
「黒髪で髪長くて小さくて可愛い子アル!!!朝話してたダロ!!」
神威は数秒考えこむと、「ああ、アイツね」と思い出したのか、神楽に笑いかける。
「もしかしてヤキモチ?」
今は憎たらしい笑顔
「ばっ!!違うアル!!兄ちゃんが…あんなに楽しそうに女の子と話してるなんて珍しいと思ってアルネ!!!」
慌てて目を背けると返事をする。
その反応に気を良くしたのか、神威は神楽との距離を縮め両手で神楽の顔を自分の方へと向かせた。
「神楽はヤキモチ焼きだね」
「違うア…」
言い返そうとした時、目の前の視界が兄から真っ白な景色へと変わった。
「何?」
目の前に出されたのは一枚の紙
「表みてごらん」
言われるがままに受け取ると、触った感触で写真だってわかった。
「ワタシの…写真?」
写真を見るとそこには自分の笑った姿が写っていた。
「うん。朝ね、その子が神楽に渡してくれって持ってきたんだ。この写真があまりにも可愛くてつい盛り上がっちゃって」
なんダヨ
ちょっと安心した
兄ちゃんが誰かに取られちゃうんじゃないかって
ただ、ちょっと寂しかっただけ
「ふ、ふーん。」
「神楽は本当に可愛いね。」
軽く引っ張られると暖かい温もりが体を包む
「俺は神楽意外の女何て興味ないよ」
神威は写真を再び受け取ると写真の中の神楽にキスをしてみせた
「〜〜〜〜!!!!」
「神楽がちっさい時に俺に言ったお願い覚えてる?」
「何アル?覚えてないネ!!」
コロコロと話を返る男を見上げた。
「神楽が兄ちゃんのお嫁さんになるって」
人差し指を立てながら軽く言う兄を前に顔を真っ赤に染める。
「言ってないアル//!!!」
「とぼけちゃってぇ」
「お、覚えてないネ!!!」
「ふーん?」
「何ダヨ…!!!」
「キスしていい?」
「なななな///!!何言ってるアル!!!良いわけないダロ!!!!」
「えー絶対?」
「絶対//!!!!!!」
「ああ〜何か兄ちゃん大好きって聞きたいなあ。。じゃないと無理やりしちゃいそう」
「はあああ?」
悪態をつく兄を蹴っ飛ばしてやりたくなったが、容易くよけられてしまうのが落ちだ
ここはぐっと我慢して素直に言わなくては何されるか分からない…
「兄ちゃん……き」
「なあに?聞こえないよ」
「兄ちゃん大好…」
「そんなにキスして欲しいの?」
「兄ちゃん大好き;!!!!」
「はい良くできました」
神威はにこりと微笑むと綺麗な青空の用な瞳を見せた
その綺麗な瞳に見つめられるといつも動けなくなる
神威はそんな神楽を見つめると再び微笑み、唇を可愛い妹の唇に合わせた。
―――ちゅ。
桜色の髪の毛が混じり合い、くすぐったいくらいに顔にかかる。
「―――ぷはぁっ!!な、な、な、///!!何するアルかぁ//!!!」
唇をゴシゴシ乱暴にふききながら真っ赤な顔になった。
「んー。ごほうび?」
「馬鹿兄貴//!!!!!!!!」
「じゃあ次は舌も入れちゃおっかな」
「へっ/!!!うわっ!!こっちくるな変態///!!!!」
こんな可愛いく愛しいこいつ意外
興味あるわけないよ。
END