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□sweet perfume
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「・・・見つけた。」
*sweet perfume*
私、春野サクラ。高校一年生。
最近、隣のサスケ君がおかしい。
私にメアドを聞いてきたり(サスケ君にとってはかなり珍しい)、やけに私を見てきたり。
それから一番おかしいのは・・・
「サクラ・・・好きだ。」
私にこんな事を言ってくること。
私はいのみたいに飛び抜けて美人なわけでもないし、取り柄もない。
学校一モテるサスケ君に告白されるなんて有り得ない。
だから、逃げることにした。
どう、答えればいいかわからないから。
「くそ・・・最近、避けてるなあいつ・・・」
俺はうちはサスケ。学校一のモテ男と呼ばれている。
俺としてはうざいこの上ないのだが、サクラがそのお陰で俺に興味を持ってくれたから、まぁよしとしよう。
それよりも。なぜ、あいつは俺を避ける。
俺がいつもと違かったからか?
オラニャンのニャンをだしたからか?
とりあえず、捕まえて聞くしかないか・・・
「おい、山中。サクラ知らないか?」
「え?あぁ、サクラなら屋上にいるわよ。」
「さんきゅ」
俺は、屋上へ走った。
「うふふ。サクラごめんなさい。でも、後で私にお礼を言うことになると思うけど。」
教室には確信犯が一人、笑っていた。
「逃げちゃって、私嫌われるかなぁ?」
私は一人、人気のない誰もいない屋上にいた。
私は、中学生の頃からサスケ君が好きだった。
皆に人気だからとかそんなんじゃない。
私の事を初めて可愛いと言ってくれた人だから。
「うぅ・・・ひっく・・・」
あの時、私はまだ五才。皆におでこが広いとバカにされて、前髪を長くしてた頃だ。
私が幼稚園の桜の木の下で泣いていたら、
「どうして泣いてるの?」
サスケ君が声を掛けてくれた。
「皆が・・・おでこが広いって・・・ひっく・・・バカにするの・・・」
「顔、あげてごらん。」
そう言われて顔を上げると、格好いいサスケ君が笑っていた。
「可愛いじゃん。名前は?」
この時私はもの凄く嬉しかった。
「サクラ・・・春野サクラ。あなたは?」
「サスケ。うちはサスケ。あっ、もう行かなきゃ。じゃあね。可愛い、可愛い、サクラちゃん。」
あれから、十年。中学三年生の時に同じクラスになって初めて気づいた。
小学校は違かったから。でも、あの時とは随分印象が変わっていて最初は同人同名の人かと思った。
だけど、隣の席になった時。
「宜しくね。サスケ君。」
「宜しく。可愛い、可愛いサクラちゃん。」
これで確信した。彼はあの時と人だと。
それでまた一年。サスケ君とは何の進展もなかった。
だから、びっくりしたのかもしれない。
サスケ君に告白されて。
「うーん。やっぱ空は青いや。」
いろいろ考えた結果、やっぱ逃げずに答えようと当たり前の事を空に吐いて帰ろうとしたら―
「誰っ?」
後ろから誰かに抱きしめられた。
でも、すぐに彼だと気づいた。
いつも隣でしていた、甘い香りがしたから。
「・・・見つけた。俺の可愛いサクラ。」
「サスケ君・・・」
サスケ君は、私を後ろから抱きしめたまま話し始めた。
「俺は、ずっと知ってた。幼稚園の時お前に声を掛ける前から。」
可愛いやつだと思っていた。
だから、声をかけた。
でもその後すぐに違う幼稚園に転園させられた。
そして中学生になったとき。
入学式の代表者スピーチで居るとわかった。
でも、中三になるまで縁がなかった。
それで中三になって席が隣になったとき話かけてみた。
やっぱりあの時のサクラだった。
しかし、それから何の進展もなかった。
だから、高一になって隣の席になった今、告白した。
そこまで言うと、サスケ君はさっきよりも強い力で私を抱きしめた。
「ずっと昔から好きだった。お前は?どうだ・・・?」
答えは決まってる。
「私も・・・ずっと好きだった。」
数日後―
「山中、あの時は助かった。」
「あの時って?」
「そんな事ないわよ。ただ、サスケ君にサクラの居場所教えただけじゃない。」
「そうなんだ。じゃあ・・・」
「私、あんた達の恋のキューピットってわけ。」
「「ありがとうございます。」」
彼女たちは、後に木ノ葉公認バカップルとなる・・・
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