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□朝の楽しみ
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通学とは、"夢"である。
*朝の楽しみ*
(あっ、きた・・・)
サクラは彼がバスに乗り込むのを二番目に後ろの席から眺めていた。
大好きな彼が同じバスに乗ってると気付いたのはつい最近。
いつもは英単語や公式を覚えるので下を向いているが、たまたまその日は酔って、酔いさましにとキョロキョロしてた時。学校からほど近いバス停で彼が乗ってきたのを知った。
(こっちに来た!)
彼はいつも一番前の席に座る。
なのに今日はサクラの方に向かってくる。
その距離はグングン縮まっていって。
(え?隣?)
彼は何気なくサクラの横に座った。
もちろんサクラの心臓はバクバクいっている。
(どうしよう・・・話した事もないのに)
サクラは神のくれたチャンスを逃すまいと思ったが、動揺でそれどころっはなかった。
"次は〜木ノ葉学園前〜木ノ葉学園前〜"
(もう降りなきゃ)
そうこうするうちにバスがついてしまった。
サクラが降りようと立ち上がると、
「春野サクラってお前か?」
彼が話しかけてきた。
「そう・・だけど・・・」
彼は何か考えると、
「そっか。じゃあ、また」
と降りていった。
(またって事は、明日もこうやってお喋り・・・)
"ドア閉まりま〜す"
「あ!待ってください!降りま〜す」
サクラと彼が近づくまであと少し・・・・・
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