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□隣のアイツ
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俺の隣にはいつもアイツがいる。

どんな時もアイツと俺は隣同士。

なぁ、恥ずかしいから一度しか聞かねぇけど、

お前は運命って信じるか?




*隣のアイツ*




アイツと俺の出会いは遥か昔、そう確か15年前だった。
俺の家の隣に馬鹿でかい家が急に立って、まだ小さかったアイツをアイツのお母さんが大事そうに抱いてた。
まぁ、俺だって俺の母さんに抱かれてたけど。
アイツが来たときのことは兄さんから聞いたんだ。


兄さんはもうそのころ小学生だったからな。
でも俺だって少しは覚えてる。
あのピンク色の髪が変だなって記憶だけだけど。


それからアイツと俺はどんどんおっきくなって、現在に至る。



俺とアイツは仲の良さは俺と兄さんには及ばないが、かなり仲はいい。

女とか男とか意識しなくていいからなのか、アイツと居るときは素の自分でいられる。

だが最近、よからぬ噂がとびかってるらしい。




それはアイツと俺が毎日学校から帰ってくると俺の部屋で喋ってたときのこと。




「ねぇ、サスケ知ってる?私達学校で噂になってるらしいわよ」

アイツいや、サクラが急にそう言い出した。

「噂?また山中になにか吹き込まれたのか?」

俺は冷たい目でサクラを見る。
するとサクラは両手を顔の前でふり、

「違うって!今回は自分の耳で聞いたの!!確かな情報よ」
と言った。

噂になるような事をしたつもりはない。
一体なんの噂だ?

「まさかサスケ、聞いてないの?」

サクラが驚いた顔で俺を見る。
悪いか、聞いてなくて。

「聞いてない」

「え!?ありえない!!あんなに噂になってるのに!まぁ、いいわ。
あのね私達、付き合ってるんじゃないかとか
婚約してるんじゃないかって噂なの!!」


「はぁ!?んなわけないだろう」

ていうよりありえねぇ。
俺とサクラが付き合ってるだと!?
しかも婚約だなんて・・・誰だそんな嘘流した奴!!後でしめるしかねぇな。

二年生の特権を利用しようと、頭の中で企みはじめた俺にサクラが話しかけた。


「そ、そうなんだけどねっ!!いや、私達よく一緒にいるし。それにほら、この間うち誰もいなくてサスケん家で預かってもらったことあったでしょう?
それを隣同士だって知らない子が見ちゃったみたいで・・・」

それだけで噂流すなんて・・・
しかもその口調だと女か・・・
めんどくさい事しやがって!!
俺とサクラの清い関係を崩す気かっ!!
ふざけんなよマジで・・・

「それでお前、その噂自分の耳で聞いたんだろ?否定したのか?」

肝心な事を今更聞いてみる。
そうだ、当の本人が否定すればすむ話じゃないか。
そう考えるのになぜか時間がかかった。

しかし返ってきた答えはかなり意外なものだった。


「え、してないよ?」


・・・してないだと?

なぜ俺らは清い関係だと言わない!!
あ、もしかしてサクラ俺の事好きなのか?


「なんで否定しなかった?」

「だって否定するもなにも、聞いたって私の前でじゃなくて、校内放送でよ?否定なんて出来ないじゃない。」


「は?」
素っ頓狂な声を出した自分に恥ずかしくなって俺はすぐに喋った。

「いや、校内放送ってなんだ?俺は聞いてないぞ」

「当たり前じゃない!!だってその日部活しかなかったもの。でもその後校内で噂が広まったから聞いてると思ってたのよ!
それでね放送部の子が友達に喋ってたみたいだけど、その子校内放送のスイッチ消し忘れたまま喋ってて丸聞こえだったのよ!!」

おっかしい、と涙をふきながら笑うサクラ。

いやまて、なにがおかしい?
俺たちの個人情報がばらされてることをわかってないのか!?
ていうかソイツ後で恥ずかしい思いしたんだろうな。いやいやそんな事を思ってる場合じゃない!!

とりあえず明日シカマルに頼んで集会でも開くか・・・
いや、それじゃやりすぎか。
どうしようか。
とりあえず明日、クラスのやつらにだけでも言うか。

「サクラ、今日はもう帰れ。明日早いだろ?」

「あ、うん。じゃあまた明日ね!」


よし。明日の一連の動きをメモに書かなければ。
俺はサクラを家(といっても窓を渡るだけ)に返し、机にこんばんはした。

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