main
□secret code
1ページ/5ページ
ガチャ
「あ、サスケ君!おかえりなさ・・・」
「・・・サクラ、これは、なんだ?」
サスケ君がそう言って私に見せたのは、
「サイ・・・」
「やっぱり浮気してたんだな!!」
・・・違うの、サスケ君。浮気じゃないわ。
だって私は・・・
*secret code*
結婚してから、もうじき一年がたつ。
私達は恋愛結婚で、周りからも祝福されとても幸せ。
それは今現在だってそう。
疲れて仕事から帰ってくるサスケ君に
「お風呂?」「ご飯?」
と聞いてる時、私の心の中には幸せが溢れているの。
でもね、
私には事情があるの。
あなたには言えない、事情が。
だから、ごめんなさいね。
私は夜、蝶になる。
「サクラです。今日はゆっくりしていってください。」
「うん。今日は久々に休みがとれたんだ。だからアフター宜しくね。」
「わかりました。本当にいつもありがとうございます。サイ」
私の両親は、
私が高校三年生の時。
私が学校いってる間に。
中学三年生の弟を置いて。
五億の借金を残して。
居なくなった。
区役所の人は、私がもう18だから暮らしていけるだろう、と勝手に決めつけ私達姉弟を見離した。
両親は会社の社長だったから、こんなに膨大な借金になったんだろう。
だから、私は高校をやめて働く事に決めた。
弟だけは、高校にいかせてあげたかったから。
弟も高校卒業後、ホストクラブで働いてる。
あれからもう四年が経つけど借金は未だに完済できていない。
利子も合わせてまだ三億と七千万。
それでも一億三千万は返した。
でも利子は年が経つ事に上がっていって。
今まで通りに働いて返すのはキツくなってきた。かといって風俗は・・・
そんな時に出会ったのがサイ。
サイはあまり飲まないのにボトル―しかも一番高い―をいれてくれる。
最初は"さん"付けしてたんだけど、本人が拒否したから呼び捨てに変えた。年が近い事もあって。(サイは私の一個上なのだ)
そして、アフターも頼んでくれる。
一億三千万も返せたのは本当、サイのお陰。
「サクラ、」
「ん?」
「今日はスイートルームをとったんだ。」
「本当?嬉しいっ!!」
キャバ嬢らしく言ってみるけど、サイにはおそらくバレてる。
「・・・嫌?」
私がこの後の事を嫌がっていることを。
「ううん!そんな事ない!サイが居るから私、借金返せてるんだもん。」
これは本当の気持ち。
でもやっぱり・・・
「そうだよね。だけど後ろめたい?」
サスケ君に申し訳ない気持ちで溢れてしまう。