others
□君が好き
1ページ/4ページ
初めてがたくさん。
この気持ちだって・・・
初めて。
*君が好き*
感情なんてくだらないと思ってた。
感情は、たんなる任務の邪魔だと。
でも、違った。
彼らに出会ってから初めて感情の意味を知った。
初めてな事ばかりで僕は戸惑った。
全てが知らない世界だった。
でも不安はなかった。
皆がいたから。
・・・いや、多分
キミがいたから。
キミの笑顔は僕の心に暖かいなにかを与え、
キミの涙は僕の心に冷たいなにかを与えてくれる。
こんな気持ち初めて。
まぁ、全てが初めてだらけなんだけれども。
こんな気持ちの事をなんて言うか後で彼女に聞いてみよう。
そしたらなにかわかるかもしれない。
「ズバリ、それは"恋"ね」
・・・恋?
任務終わりのサクラを捕まえて聞いてみたら、
そう言われた。
なんなんだろう。恋って。
何かの病気?
それとも気持ちに種類があるのかな・・・
僕が考えあぐねていると、彼女が僕に聞いてきた。
「ねぇサイ、あんた誰に恋したのよ?」
恋ってするものなんだ・・・
やっぱり難しいなぁ。
感情って。
あ、そうだ。
明日図書館に行くからその時に借りてこよう。
確か、今借りてる"感情論-絆-"の次に-恋-があったはずだ。
「ちょっと、聞いてんの?」
「あ、うん。ちゃんと聞いてるよ」
「そう。で、あんた誰に恋したのよ?」
今はわからない。
でも明日にはわかるだろう。
「悪いけど、サクラ」
「なに?」
「その答え・・・明後日でもいいかな」
「いいわよ」
「じゃあ、また任務で」
帰り際に見た
サクラの笑顔に僕の心はなんかフワッとした、なんて言えばいいんだろう・・・
"僕にだけ向けられた笑顔"だと思ってしまって・・・
あ、そうだ。
明日になれば、全てはっきりするじゃないか。
僕は、明日が楽しみになって柄にもなくスキップしながら家に帰った。