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□君が好き
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初めてがたくさん。


この気持ちだって・・・

初めて。



*君が好き*




感情なんてくだらないと思ってた。

感情は、たんなる任務の邪魔だと。

でも、違った。
彼らに出会ってから初めて感情の意味を知った。
初めてな事ばかりで僕は戸惑った。
全てが知らない世界だった。
でも不安はなかった。
皆がいたから。
・・・いや、多分


キミがいたから。


キミの笑顔は僕の心に暖かいなにかを与え、
キミの涙は僕の心に冷たいなにかを与えてくれる。


こんな気持ち初めて。

まぁ、全てが初めてだらけなんだけれども。


こんな気持ちの事をなんて言うか後で彼女に聞いてみよう。
そしたらなにかわかるかもしれない。




















「ズバリ、それは"恋"ね」

・・・恋?


任務終わりのサクラを捕まえて聞いてみたら、
そう言われた。


なんなんだろう。恋って。

何かの病気?
それとも気持ちに種類があるのかな・・・


僕が考えあぐねていると、彼女が僕に聞いてきた。


「ねぇサイ、あんた誰に恋したのよ?」


恋ってするものなんだ・・・
やっぱり難しいなぁ。
感情って。

あ、そうだ。

明日図書館に行くからその時に借りてこよう。
確か、今借りてる"感情論-絆-"の次に-恋-があったはずだ。



「ちょっと、聞いてんの?」


「あ、うん。ちゃんと聞いてるよ」


「そう。で、あんた誰に恋したのよ?」

今はわからない。
でも明日にはわかるだろう。



「悪いけど、サクラ」


「なに?」


「その答え・・・明後日でもいいかな」


「いいわよ」


「じゃあ、また任務で」



帰り際に見た
サクラの笑顔に僕の心はなんかフワッとした、なんて言えばいいんだろう・・・
"僕にだけ向けられた笑顔"だと思ってしまって・・・

あ、そうだ。
明日になれば、全てはっきりするじゃないか。


僕は、明日が楽しみになって柄にもなくスキップしながら家に帰った。



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