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□Allerednic
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刃-ヤイバ-を突き立てすべて奪えと?
顔も知らぬ貴方を探す。
*Allerednic*
仮面を被ったCinderellaは階段を登る。
まだ見ぬ貴方を思い、登る。登る。
辿り着けば、目の前には仮面を被った淑女たちが。
その先にいる貴方を探す。
心に凶器-狂気-を忍ばせて。
すればほら、貴方が私に近づく。
「美しい・・・」
魔法にでもかけられたのかのように貴方は虚ろな目で私を見る。
私は仮面の中で笑い、貴方に近づく。
「王子・・・」
魔法にかかった王子様は私を引き連れ、誰も来ないであろう秘密の場所に向かう。
仮面を被った王子様。
その仮面、私が打ち抜いて差し上げるわ。
「キミ・・・名前は?」
月明かりに照らされて、王子様の透き通るような肌が仮面の隙間から見えた。
あの人に似た漆黒の髪は、月明かりのせいでダイアモンドみたいに輝いている。
「・・・クラ。サクラです。」
「名前も美しい・・・」
Cinderellaは美しくなければいけないの。
ねぇ綺麗でしょう?
このドレス。
ピンク色のドレスに会う名前を貰ったの。
「貴方の名前は・・・?」
「・・・サイ。」
魔法使いが耳元で囁く。
"すべて奪え"
と。
王子様の何もかも、刃-ヤイバ-を突き立て、
心の凶器-狂気-に手をかける。
魔法にかけられたのは誰?
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すべて捨てる覚悟。
君を見つけた時から出来ていたよ。
時計を見る。
時刻は午前零時一分前。
君が
「サヨナラ」
そう言ってスロープへ。
仮面ごし、君の熱い瞳。
手を伸ばし、君を引き寄せる。
僕の氷の仮面を打ち抜く。
鐘は鳴らさないで。
今、時間をとめて。
ドレスなんか引き裂いて。
ティアラは投げ捨てて。
甘く熱い魔法は解けない。
月明かりが君に被せた、ベール。
「君の為ならすべてを捨てよう。」
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見つめ合う熱い瞳、交差する。
打ち砕かれた仮面は、ワインレットのカーペットにキラキラと輝いている。
「・・・捕まえた。」
まるで御伽噺-フェアリーテイル-
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