others
□君の隣
1ページ/4ページ
「うわー!すっごく綺麗っ」
君の方が綺麗だよ、なんて言えずに
*君の隣*
気がつけばずっと君ばっかり目が追いかけていた。
ひまわりのような笑顔、
時折見せる悲しげな瞳。
どれも全部魅力的で、僕の心を揺さぶる。
けれど君は、僕なんかには目もくれず
帰らないあいつとの記憶を、見つめ続けているんだろう。
それでも、君の隣に居たいだなんて・・・
そう思う僕はずるいだろうか。
「サクラ、」
「ん?なぁに?」
「来週、花火大会があるんだけどさ。・・・いかない?一緒に。」
来週、木ノ葉の一大イベントの花火大会がある。
その花火を手を繋ながら二人きりで見ると結ばれる、というジンクスがある花火大会だ。
僕はその話を聞いてからずっと、サクラと行きたいと思っていた。
もしそのジンクスが叶ったら・・・
サクラの隣にずっといられたなら・・・
そんな事を考えては、いつ誘おうか悩んでいた。
任務の帰りが一番誘えるチャンスなんだけど、ナルトとカカシがいる。
花火は"二人きり"で見ないと意味が無いのだ。
僕は考えに考えて、サクラが図書館に行く日を狙って図書館へ向かい、サクラに声をかけた。
「うんっ!いいよー!私、一度でいいからその花火大会行ってみたかったの!」
「・・・行ったことないのかい?」
「何故か毎年任務で行けなかったのよね〜。遠くから花火は見えてたりしたんだけど。」
つまり、それは毎年サスケ君と見てたってことか・・・
胸がズキリとした。
あんな質問しなきゃ良かった。
後悔しつつ、サクラが誘いを受けてくれた事を素直に喜んだ。
これで、もしかしたら思い描いていた未来が手に入るかもしれない。
そして時は過ぎ、花火大会の日がきた。