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□オフィスの王子様
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「今日からこちらの部署に配属される事になりました、春野サクラです。宜しくお願いします。」
「・・・うちはサスケだ。宜しく・・・」
*オフィスの王子様*
私、春野サクラ。23歳。
私立大学を今年の3月に出て、この春念願だった『木ノ葉コーポレーション』に入社した。
入社式はドキドキしすぎて、社長さんの挨拶も耳に入らなかった。
そして、私が配属された部署は・・・
「ここね。”おにぎり開発部”は。」
おにぎり開発部とは、木ノ葉がライバル会社に対抗するために創られた新しい部署なの。
コンコン
「し、失礼しますっ!」
私は緊張余り、声が裏返ってしまった。あぁ恥ずかしい・・・
すると、目の前に1人の男の人が。
「誰だ?」
男の人は黒髪のとてもかっこいい人で、面食いな私はつい質問にも答えず、見入ってしまった。
「おい、質問に答えろ。お前は誰だ?」
さっきよりも強い口調で言われ、私は我に返った。
「すっすみません!私は、今日からこちらの部署に配属される事になりました、春野サクラです。」
「あぁ・・・お前が・・・。俺はここのチーフのうちはサスケだ。宜しく。」
「宜しくお願いします・・・」
男の人・・・もとい、うちは先輩はぶっきらぼうにそういうと、私に部署の中を案内してくれた。
「ここが給湯室。でここが・・・・」
案内してもらって初めて知ったんだけど、ここの部署はざっと見ただけでも何十人と社員が働いている。
そんな大人数の上に立っているうちは先輩はすごいのだとこの時初めて知った。
部署の案内が終わって、私がこれからしていく仕事内容や、仕事の仕方などを教わった。
うちは先輩の説明はわかりやすく、私はすぐにでも仕事に取り掛かれそうだった。
そして最後に私の座る席に案内してもらった。
これから毎日座る席だから、私はドキドキしながらうちは先輩の後ろを着いて行った。
するとうちは先輩は”チーフ室”のドアを開けて、私に入るよう指示した。
なんで、”チーフ室”に入るんだろう?
私の席を案内してくれてるのよね?
そんな私の中の疑問は次の先輩の言葉で一気に解決した。
「お前の席はここだ。」
先輩がここといったのは、先輩の隣の席。
何で私が?
チーフ室には机が二つしかない。
つまり他の人はいない、という事。
私は別に大学を首席で卒業したわけでもないし、入社試験だって本当は落っこちるんじゃないかって心配したほどよ。
なのに、いきなりチーフ室で仕事だなんて・・・
私は先輩にきいてみた。
「なんで私がチーフの隣なんですか?他にも優秀な人はたくさ「お前が梅干好きだったからだよ。」
はい?
今、なんて仰いました?
私が梅干好きだったからって言いました?
それだけの理由で私、選ばれたの?
私は急に力が抜けた気がした。