gift
□peach love
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言えなかったけど。
「ずっと・・・好きだったってばよ・・・」
*peach love*
今日は第七班での任務。
でも、もう昔の第七班ではない。
「サスケ君!!」
「・・・サクラ」
あの二人が付き合うことになったとき、俺はすごく嬉しかった。
だってサクラちゃんの初恋がかなったから。
でも七班での任務がある度、俺の心はどんどん虚しくなってった。
初めはサクラちゃんをサスケに奪われたからだと思ってた。
けど、本当は違った。
本当は、あの二人と俺が切り離された気がしたからなんだ。
今までは三人でひとつだった。
でも今では二人と一人。
俺はあの二人と自分の見ている景色さえ違う気がした。
「サスケ君」
「サクラ」
その言葉が聞こえる度、俺の心は悲鳴を上げていた。
今日だってそう。
二人は俺を置いて違う世界へ行ってしまう。
もうこんなの耐えられない。
「なぁなぁ、二人とも」
俺は思い切って二人に切り出す。
「二人は、どう思ってるんだってば?」
返ってきたのは意外な答えだった。
「どう思ってるって・・・」
「今までと何も変わってないだろ。」
・・・それじゃあ、俺ってば、一人で考えすぎてたのか?
俺が黙りこくっていると、サクラちゃんが俺にこう言った。
「私とサスケ君が付き合ったって、私達第七班は変わらないわよ。だから安心してよね。」
そうだってばよ。俺らは何があったって"仲間"なんだよな。
サクラちゃんの一言で俺は救われた気がした。
だって、もう
「サスケ君」
「サクラ」
この言葉が聞こえても、俺の心は悲鳴を上げなくなったから。
end.
*おまけ*
「・・・なぁ、サクラ」
「なぁに?サスケ君」
「さっきサクラがナルトに言った言葉の意味って、俺らは付き合ってないって事なのか!?」
「・・・違うわよ、サスケ君。最初の方、聞いてた?」
「・・・聞いてない。あ、サクラ」
「ん?」
「好きだ」
「ふふ・・・知ってる」
それを見ていた中年が一言。
「俺ってかなり大事な存在だよね?なんか忘れられてない!?」
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