gift

□love fight!
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「サスケ君のバカッ!」



「・・・」



始まりは本当に些細なことだった。




*love fight!*






今日はサスケが任務から帰ってくるのが早かったから、一緒にご飯を食べた。
一緒に食事をとるのは三日ぶり・・・
なんてもう日常茶飯事だ。
サクラも医療忍者なので、お互い時間が合わない時が多い。
だから、サクラは久しぶりなので気合いを入れて料理をした。


なのに・・・



「ねぇ、サスケ君、おいしい?」


「・・・」


「サスケ君・・・?」


「・・・まあな」



サスケのリアクションがいつもとまったく同じだった。
せっかく疲れてる中、心を込めて作ったのに。


しかし、それも日常茶飯事のはずだった。
サスケは極度の照れ屋でめったに褒めたり、自分から話したりしないのだ。

でも、この日のサクラの反応はいつもと違った。



「・・・ぃ」


「?」


「サスケ君のバカッ!大っ嫌い!!」


突然言われたサスケはびっくりした。
普段のサクラなら

「それはほめ言葉として受け取っておくわ!」

と、あのいつもの笑顔で返してくるというのに。


「何で怒ってるんだ?」


サスケが、
"主婦に聞いた!
夫に言われてイラッときた言葉"第三位を言ってしまった瞬間ー




バチッッッ!!!



「・・・!?」

サスケの頬に鋭い痛みが走った。


「サスケ君なんて、大っ嫌いなんだから!!」


先ほどと同じフレーズ。しかし先ほどよりも遥かに怒っている。


(何故なんだ・・・)


鈍感なサスケは気付かない。



「本当に大っ嫌い!」


今日が、自身の誕生日という事に・・・


















「・・・とにかく落ち着け」


サスケがサクラをソファーに座るよう促す。

サクラも少しは熱が冷めたのか、黙ってソファーに腰かける。



「今日の料理、うまかった」


先ほどよく考えてみたら気づいた。

(メシの感想言ってねぇ)
ということに。

だからとりあえず言ってみたのだが・・・


「それだけ?」


サクラはまだ許してくれないようだ。



(じゃあ、一体なんなんだ?
あ、もしかして)


「サクラ、最近夫婦のいとな「最っ低!!」


本日二回目の平手打ち。女だというのにサクラの平手打ちはそこらへんの男よりも痛い。


サスケはもう思い当たるものがないのと、二回も平手打ちされたのに頭の糸がぷつりと切れ・・・















「いい加減にしろっっ!!」







そう、言ってしまった。

そのせいで今まで強気だったサクラは何処、泣き出してしまった。


「ひっく・・・」


「サクラ・・・その、今のはちょっとキツく言い過ぎた、悪い」

謝ってはみるが、今日のサクラの行動には本当に理解しがたい。

怒ったり、泣いたり、ラジバンダリ・・・

サスケが脳内赤絨毯をしていると、サクラが口を開いた。

「今日、サスケ君の誕生日じゃない?だから、私一生懸命料理作ったのにサスケ君何にも・・・ぐすっ」



(誕生日・・・?)

サスケはこの言葉で一瞬にしてサクラの行動を理解できた。


(だから、あんなに豪勢な・・・)


「サクラ」


「なによ・・・」


「その、ありがとう」

サスケにとっては珍しいお礼の言葉、それに加えて極上の笑顔。


サクラは喧嘩の事など忘れて、サスケを見惚れてしまった。


「サクラ?」


「ふふ・・・改めて。
サスケ君、誕生日おめでとう」


「あぁ」

さっきの笑顔はどこへやら。
しかめっ面で、でも声は穏やかで。

「サスケ君・・・?」

「何だ」

「大好き」

「俺もだ。あ、サクラ。」
「なぁに?」

「仲直り記念に久しぶりに夫婦のいとな「バカッ!」

"喧嘩するほど仲がいい"
うちは夫婦であった。


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