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□隣のアイツ
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「おはよ」
「おはよ・・・ってサスケっ!?」
朝、いつものようにサクラに挨拶するとサクラは目を大きく見開いて俺の顔を覗き込んだ。
「クマできてるよ?」
クマできてるだけで驚くなんて優しいやつだな。
清い関係だからこその気持ち。
恋人同士だったらいちいちそんな事思ったりしない。
「昨日ちょっとな・・・」
「ふ〜ん。でもクマできるなんてサスケにしては珍しいんじゃない?」
「そうか?」
「そうよ。だっていっつも完璧だもん。その顔。ニキビもないし、ツルツルじゃん!女の私でも嫉妬しちゃうよ〜!」
「サクラだって肌きれいだろ?」
そう言いながらサクラの頬に触れる。
サラサラしていて、例えるならば絹。
「恥ずかしいよ、もう。」
そんな事をしながら歩いていると、
「やっぱ春野サクラとうちはサスケって付き合ってるんだよ〜!だって朝からあんなにイチャイチャしてるし〜」
「だよねだよね〜!
でも春野さんなら仕方ないかな〜
だって春野さん超モテるじゃん!!」
「昨日もクラスの男子に告られてたしね!」
女子生徒の声が聞こえた。
何?サクラは"超"モテるだと!?
確かに可愛いが!!
性格もいいが!!
つーか、昨日告白されたなんて俺は聞いてないぞ!!
サクラァーーー!!!
俺は心の声をトーンダウンさせてサクラに聞いた。
「サクラ、俺は聞いてないぞ。」
「え?何を?」
コイツ、しら切る気か?
「昨日、告白されたんだろ?」
「あぁ〜!!その事ね!されたわよ。でもそんなの日常茶飯事だしサスケにわざわざ言うことでもないと思って。」
日常茶飯事だと・・・!!
サクラ、お前なに可愛い顔して爆弾発言してんだ。
つーか、今の発言女子が聞いたら明日からヤバかったな、本当に。
「それで、断ったのか?」
聞く必要はないと思うが、を飲み込んでサクラの返答をまった。
すると、
「え?あぁ、昨日の人以外は断ったよ!」
なんていう答えが返ってきた。
昨日以外の人は・・・?
て、ことは昨日の人はOKしたって事じゃねぇか!!
いや、だったらなぜさっき日常茶飯事だから俺にわざわざ言わなくてもいいだなんていったんだ?告白をOKすることは日常茶飯事じゃねぇだろ!!
「じゃあ、昨日の人はOKしたのか」
「あ、いや今週の日曜日にデートしてから決めるって言ったの!!」
おいおい、デートすんのかよ!!
だったら尚更なぜ俺に昨日言わなかった!!
・・・昨日の事はもういいとしよう。
それよりも今週の日曜日だな。
デートを邪魔する作戦を・・・ていうかよくソイツ、この噂が出回ってるときにサクラに告白なんかしたな。
どんなやつなんだろう。サクラがOKしたって事はイケメンだな。
「日曜日な。わかった。じゃあ今日うちで男が喜ぶデートの仕方を考えよう。うまくいくといいな。」
デート、ぶっ潰しにいきます。
「うん。ありがと・・・」
やっぱ可愛いな。
てか、俺どうしたんだろ?
サクラが他の男に告白されて俺、なんて思った?とられたくない・・・って思わなかったか?
いや、この気持ちは多分幼なじみとしてだな。
男としてなわけがない。男としてなど・・・
あってはならない。
「サスケ、帰ろう?」
「悪い、先に帰っててくれ。俺の部屋の窓開けてあるから。」
「あ、うん!分かった!」
せっかく昨日、徹夜で考えたのに、
"噂撲滅キャンペーン"
ま実行されず。
俺の昨日を返してほしい。
まったく本当に誰だ!
こんな時にサクラに告白したやつは!!
・・・そうだった。
そいつを今見に行くんだった。
俺とサクラは席が隣同士だから、授業中日曜日デートするやつの名前を聞いた。
席も、しかも今年毎月席替えしてるのにずっと隣同士ってすごくねぇか?
話がそれた。
ソイツの名前は"サイ"というらしい・・・
しかも一学年上。
サクラ・・・年上が好みか。
それで俺は放課後ソイツを一目見ようとサクラを一人で返したのだ。
「三年A組か・・・あ、ネジ」
三年の廊下をあるいていると生徒会長のネジを見つけた。
「先輩に呼び捨ては失礼だろ。で、どうした?お前が三年のところに来るなんて珍しいな」
「まぁな。なぁ、サイってやつ知ってるか?」
「あぁ。同じクラスだ。呼ぶか?」
「いや、いい。どいつかだけわかれば。」
「そうか。あいつがサイだ。先月この学校に転入してきたんだよ。」
ネジがそういいながら教室の隅を指差す。
そこには黒髪で色白の男が立っていた。
「あいつがサイ・・・ふんっ、俺にはかなわないな」
アイツなら大丈夫だな。そう確信してネジと別れ、途中熱血野郎とお団子が通った気がしたが無視して家に帰った。