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□鬼教師ロロノアシリーズ
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「5分前に教えた公式を忘れてんじゃねェよ!」



バシッ!!!!



「いった〜い!」



青筋浮かべて私の頭をペシッて叩くのは、数学教師のロロノア・ゾロ先生。



叩かれた頭を押さえ、涙目で見上げると文句あんのか!?って睨まれた。



うぅッ…痛い…



「オラ、もっぺんやってみろ」



「鬼ッ!鬼マリモ!」



「ンだとゴルァ!?留年救済に補修してやってんのにそんな口の聞き方すんのかッ!?」


「ヒィッ!す、すみませんでした!」



急いで問題を解き直す私を腕組みで睨み、



「ハナッからそうしてりゃいいんだよッ」



と先生は言った。



私は今、留年回避のために数学の補修をしてもらってる最中。



他の科目はこの前のテストでなんとかなったんだけど、数学だけは無理だった。



だって、何この数列!



解くとか絶対無理だっつの!



あぁ〜、何でこの世に数学なんてものがあるのよ〜!



数学作った奴、FXXK!!!!



「せんせー…」



「あ?」



「できました…」



窓にもたれて腕組みをしてた先生が、眼を開ける。



あら?寝てらっしゃいました?



「どれ」



左側から覗き込み、持ってた赤ペンが丸を描く。



…って、えッ…丸!?



「やりゃあ出来んじゃねェか」



「当たった…!キャー!すごい、当たった〜!」



問題が解けるなんて…!小学校以来だよ〜!



「大袈裟に喜んでるとこ悪いが」



「ん?」



「あと、これ全部やってもらうかんな」



「ほぇえッ!!??」



バサッ…と降ってきた15枚程のプリントに、一瞬で蒼白になる私。



「な、何コレッ…!鬼!悪魔!マリモ!」



「ガタガタ言わねェでとっととやりやがれ!」



ガンッと机を蹴って威嚇する先生に、私はまたビビってシャーペンを持つ。



クッソー、この鬼教師!不良教師!



……って、あれ?



あれれ?何で?



なんか解けるぞ…!!??



うっそー!スラスラだァ…



「出来た!」



勢い良く顔を上げて窓際を見たけど…



「…いねーし」



ありえない…あの鬼緑が消えた!



問題も解いたし、帰っちゃってもいいかな…?



うん、いいよね、やることはやった!




「よし!かーえろ」



「お、終わったか?」



と、タイミング良く戻ってきた先生に、がっかりして座り直す。



「採点すっから待ってろ」



「ねェ先生…間違いがあったらどうなんの?」



「あァ?1問につきプリント3枚追加だな」



「…!」



死ね!鬼マリモ!



あぁ〜見直ししてから出せばよかったー!



なんて思ってたけど。



「お…全問正解」



「ウソ!?ほ、ホントだ…」



「まァ俺が教えたからな」



「信じらんない!すごいすごい!」



嬉しくて先生にそう言うと、



「名無し」



「わッ…!」



パックのイチゴ牛乳を投げられた。



「え…?これは…」



「頑張った褒美」



「ひぇえ!?」



あ、あの鬼マリモがご褒美とな…!



あ…いなかったのって、これ買いに行ってたから…?



「あ?いらねェのか?」



「い、いるいる!」



ちょっとびっくりしたけど、意外なのが嬉しい。



「…先生ありがと」



「おう」



その時の、ふっ…ていう初めて見た笑顔に。



不覚にも私はドキッとした。



不意打ちからの恋



いやいやいや…



先生がカッコイイなんて、そんな馬鹿な…!



「ん?どした名無し?」



ドッキーン!!!!



そのストイックな笑顔、ヤバイかも…//



fin

 
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