オモテU

□HAPPY BIRTHDAY
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そう告げると、緑の頭は夜空を仰いで



「そうか」



「うん。だから、ありがとう」



「おお」



今度は、嬉しそうに笑ってくれた



「………ねェ」



「ん?」



ズズッと鼻を鳴らして



肩に頭を付ける



「来年も…お祝いさせてくれる?」



「…何を?」



「ゾロが生まれた日」



コツン、とした感触は



ゾロも私の頭に自分を押し当てたせい



「私…ゾロが生まれた日をずっとずっとお祝いしたいなァ…」



モゾモゾ、毛布が動いて肩に温かい腕が乗った



来年も再来年も



感謝したいんだ



貴方が生まれたこと



貴方を生んでくれたこと



全てのことに



全てのものに



感謝したいんだ



「だから私に、お祝いさせて?」



そして、二人で居たい



その権利が欲しい、という我儘を



どうか赦してもらえないだろうか



「…名無し」



耳元の吐息がくすぐったい



いいぜ…って低音に笑みが零れた



「お前の誕生日は俺が祝ってやるよ」



「うん」



二人出会えたのも、この日があるから



だから、感謝して



祈るのだ



貴方がこれからも幸せであるように



貴方の歩く先に



これからもたくさんの光があるように



「おめでとう、ゾロ」



「…ありがとよ」



ただ、祈りを捧ぐ






HAPPY HAPPY BIRTHDAY
TO ZORO!!



fin.
 
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