ウラU

□SEA SIDE STORY
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真っ青の空にわたあめのような白い雲。



透き通るエメラルドグリーンの海。



その中ではカラフルな魚が時折姿を見せて。



白磁器色した砂浜と、その先で青々と茂った植物。



こんなにキレイな島は、きっと無人島。



ギラッギラの太陽が降り注ぐ船上では、誰が留守番をするかクジ引きの真っ最中。



「いい?全員持った?」



「「おう」」



「せーの!」



「!!!!」



そんな…まさか…!!



先が赤く塗られたクジを持つ手がプルプルしてる。



こんな炎天下で留守番って…!?



ガクリと膝を着いた私を置いて次々とクルーが船を下りていく。



「じゃ、俺も…」



見慣れた緑頭が横切った時、その浅黒く太い腕に縋りついた。



「うおッ」



「ゾロぉッ!」



「……なんだよ」



「行かないよね!?」



「……………………」



ヒクリ、とゾロの口元が揺れる。



「私を独りぼっちになんかしないよねッ!?」



「……………………」



逆の立場だったら怒ってるかもしれない。



でも、この姿からは考えられないほど恋人に優しい男は、頭をガシガシ掻いた後、大きく溜息を吐いて言った。



「………しかたねェ」



なんとなく恨めしそうな目をしてる気がするけど…、ううん、気のせい気のせい。



「ありがとうゾロ!大好き!」



「てめェ…」



こうして、私とゾロの留守番タイムが始まった。






【SEA SIDE STORY】
 
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