オモテ
□Oath
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カラン、と氷がグラスに当たって小気味良い音が響く。
隣では酔いではない他の理由で、頬を染めた名無しが幸せそうに笑ってる。
「ゾロにはいっぱい相談乗ってもらったから、一番に言いたくて」
「……そうか…」
緩んだ口許は、今夜会ってからずっと続いてて。
それが、名無しが本当に嬉しいんだってことを示してる。
「…ふふっ…」
丸椅子の上で足をぷらぷらさせる様子はまるで子供。
こんな無防備な姿、俺以外に見せてなかったのにな。
いつの間にか、お前と俺の距離は。
俺が望むものと違えていたんだ。