短編集
□Twin
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2人は生まれたときから全て一緒だった。
一卵性の2人は当然似た顔をしていた。
それに加え、同じ服、同じ髪、同じ癖。
親に強制されたわけではない。
自ら望んで同じでいることを好んだ。
ずっと一緒にいることを望んだ。
2人は互いを愛していた。
それは生まれてから17年経った今でも変わらない。
「朝だ……起きろ、千明」
「んー……もう少し……」
「駄目。そういって起きた試しがない」
「……全く、千尋はいつからそんな真面目になったんだよ?」
2人専用の大きなベッドの上で、同じ顔の2人が会話を交わす。
だいたい朝は似たような会話だ。
「真面目って……もう10時だけどな」
「……遅刻、か」
千明はまだ眠そうにすると体を起こして千尋に近づく。
そして口付けをした。
「おはよう千尋」
「おはよう千明」
一度口を離されると千尋も同じように千明に口付けする。
「……あー……なんかムラムラしてきた」
「朝からかよ。昨日したじゃん」
「昨日は昨日。今日は今日」
「……はいはい。また夜な。いい加減学校行かねぇと先生うるさいから。準備して」
「えぇー……やだ」