sunlight
□第二章
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ちらりと再度、綾瀬のほうを見るが向こうはこちらに一切興味はないようだった。
「どうした? 」
座らずにぼーっとしていた時雨を不思議そうに見る。
時雨は席に座ると綾瀬に目線を向けた後、達也に顔を向ける。
「あ、いや……あいつ、九十九綾瀬だっけ」
「知ってんの?綾瀬のこと」
「昨日、学校に来たときに会って……少しだけ話したんだ」
それを聞くと、達也は驚いたように瞬きをする
「綾瀬が?へぇ……」
「そんなに驚くことか? 」
「まあね……。あいつは人と距離を置く傾向があるから」
昔からなんだよ。と苦笑いする。
「仲いいのか?倉瀬は」
「んー……1年のときまでは仲良かったかな。中学も一緒だったし。……事件というほどでもないんだけど、綾瀬にとって大きな変化があってさ。それから、避けられるようになっちゃったんだ」
少し悲しそうに達也は笑う。
「……変化?」
時雨は達也の言葉が引っ掛かり聞こうとしたが、授業の始まりのチャイムが鳴り、先生が入ってきてしまったため止む無く中断せざるをえなかった。