sunlight
□第二章
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昼休みのチャイムが鳴る。
やっと終わったかと緊張で固まっていた肩を回す。
「一条。昼、一緒に食べよ」
達也が横で言ったのに二つ返事で答えた。
やっぱり、昼を一人で食うのは寂しいものだ。
「あ、綾瀬……お前もどう?久々にさ」
教室を出て行こうとする綾瀬を見つけ、待ったをかけるように、達也が声をかける。
しかし、綾瀬は二人を一瞥すると足早に教室を出て行った。
「なんだよ……あいつ」
「根はいい奴なんだけどね」
いい奴か……。
確かに悪いやつには見えないが、もう少し愛想があってもいいんじゃないだろうか。
コンビニ袋を片手に達也の用意が終わるのを待っていた時雨は、達也が弁当を二つ出したのを見て不思議そうに首を傾げる。
「お待たせ。行こうか」
「なんで、弁当二つ? 」
どこへ向かっているのかわからないが、行こうと言われたので時雨は達也の後を追う。
「幼馴染の分。俺が作ってるんだ」
ニッと笑う達也に感心したように、へぇーっと呟く。
「大変じゃないのか? 」
「んー……自分の作るついでだし。大変と思ったことは無いかな。冬夜が喜んでくれるし……あ、冬夜ってのは俺の幼馴染の名前な」
「幼馴染? 」
「そう。いつも昼は冬夜と一緒に食べてるんだ。ちゃんと紹介するな」
達也はそういうと非常階段の前で足を止めた。