短編
□バカップルの作り方
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泣き顔。
君は僕にその表情以外向けてくれないの？
「ぅ…っぐ……ひっく…」
細い肩を震わせ、泣く君。
何で？
僕は何かした？
「何で、泣くの」
聞いても返ってくるのは嗚咽だけ。
「ねぇ、」
君を怯えさせる気は無いのに。
ビクッと肩を震わす様も可愛いけど…
「僕が怖い？」
「うぇっ！！」
…変な声。
「……違います、から…」
明らかに無理をしているのはわかった。
そんな顔で言ったってバレバレ。
怖いなら怖いって言えばいいのに。
「嘘、でしょ」
黙ったままで、少し心配になった。
｢怖く、ない！｣
(この子は………)
…可愛い。
「うぅ、ええええぇぇぇぇ！！！！！」
なにこの子。
さらに泣き出したんだけど。
綱吉は顔を伏せて何も言わなくなった。
「綱吉、泣かないでよ。」
「ケーキでも何でもあげるから、もう咬み殺さないから……」
「……………ぷ、」
…………は？
「……騙されました？」
「は？」
小悪魔のように笑う綱吉を見て、
さっきのは演技だったのか、と思った。
と、同時に
キレて綱吉に咬みついた。