短編
□君だから。
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放課後…――
あれこれ、綱吉は二時間ほど待っていた。
「おそいなぁ……」
雲雀さんは来ない。
「委員会のお仕事でもあるのかな…」
独り言のように呟く。
時計は7時前を指していた。
けれど、綱吉は帰ろうとはしない。
(だって今日告白するって決めたんだから…)
(応接室行ってみようかな…でもいれ違ったら嫌だし…)
門の前では部活が終わったであろう人たちが出てきた。
その中の見慣れた顔に気づく。
「山本!!雲雀さん見なかった?」
「お?ツナまだ残ってたのか。ヒバリならいないと思うぜ。」
意外な言葉にびっくりする。
「なっ、何で!??」
「応接室の明かりがついてなかったんだよ。」
……雲雀さん。
帰っちゃったんだ………。
「そ…なんだ……」
泣きそう。
「ツナ!一緒に帰るか?」
「…ううん。いい。」
いなくてもいい。
応接室に行ってみよう。
本当にいなかったら諦める。
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