office love

□ヒミツの休憩
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創センパイとみんなには内緒で付き合うようになってから


週末ごとにどちらかの部屋で過ごす事が多くなった


今週は創センパイの家にお邪魔する予定で


18時を過ぎるとチラチラと時計を気にしてしまう


まぁでもどうせ残業なんだよなぁ…


目の前に積まれた書類の山


会社では相変わらず厳しいセンパイで


コレを今日中って言ってたよね…


空席になっている隣を恨めしく見つめる


緊急会議で呼ばれて行った創センパイ


また一人で全部背負いこもうとしてるんだろうな


ハァッと小さく溜息をついて


コーヒーでも飲もうと席を立つ






自動販売機の前でカフェオレを飲んでいると


会議が終わったらしい創センパイが


疲れを隠しきれない表情で近づいてくる


「お疲れ様です」


思わず声を掛けると創センパイは真っ直ぐ私のほうに歩いて来て


私の肩に額を乗せて”疲れた”と小さく呟く


突然触れた温もりと珍しく吐きだされる弱気


誰かに見られたらという心配が重なって


心臓が早鐘を打つ


「あ、あの…センパイ?」


ドギマギしているとフッと笑って顔をあげるセンパイ


「ったく、今日は早く帰ろうと思ってたのになー」


ほんの一瞬


掠めるようにチュと唇に触れたセンパイの体温


カァーッと顔に熱が集まる私のことなんかお構いなしに


コーヒーを買って何気ない顔で飲んでいる


私ばっかりドキドキしてる気がする


残り少ないカフェオレをグイッと飲んで


「じゃ、じゃあ仕事残ってるので先に戻りますね」


高鳴る鼓動を感じながらセンパイの前を通って


部署に戻ろうとすると


突然腕を掴まれる


え?何?


「ちょっと待てって。そんな急ぎの仕事じゃねーんだから」


私の腕をしっかり掴んだままイタズラっぽく笑うセンパイ


「で、でも…今日中って」


「あぁ、アレな。嘘」


「え?」


「来週で間に合うけど、お前なら今日中に出来ると思って」


言いながら階段脇に歩き出す


引っ張られるように着いて行くことしか出来ない私


壁に身体を押しつけられて


やっと文句を言おうと思って口を開くと


そのままセンパイの唇に塞がれてしまう


甘くて熱い接吻け(くちづけ)


「とりあえず充電。続きは帰ってからな」


ニヤッと笑ったセンパイ


こんな事されたら


もう文句なんて言えなくて






ほんの少し


身体の奥の方に燻ぶるように持った熱は


仕事が終わって創センパイの家に着いたときに


甘く熱く解放された






END

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