Novel
□さし呑み
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「おい。もうやめとけよ。」
「んあ?…まだ足んね〜よ。」
日付がかわる頃。深い深い時間。
起きているのはいつもケンカばかりの野郎二人。
今日は、久々の宴だった。
といっても、毎日が宴のような食事時間を過ごしている麦わら一味ではあるが今日は違ったのだ。
敵船から大量のラム酒の樽を手に入れた。
そうなれば、もちろん宴。
普段はそんなに酒を飲まないルフィやウソップ、チョッパーも飲み比べをはじめたくらいだ。
唯一、いつもと同じようにたしなむ程度のロビンは、グデングデンに酔ったナミを介抱。
それじゃあ私達は先に寝るわと女性陣は部屋に戻っていったばかりだった。
「野郎どもはここで雑魚寝だな。おい、そこの皿とってくれ」
大量の食器を洗いながらゾロに背中で会話をする。
「ん。あぁ。」
酒を一口飲み、サンジに皿を渡す。
普段はケンカばかりの二人だが、サンジがコックとしての仕事をこなす時は
二人とも大人になる。
サンジの片付けも終わりに差し掛かったころ。
「おめえ、あんま呑んでねえだろ。」
そういいながら、サンジに酒をついだゾロ。
「…随分、珍しいことすんだな。明日は嵐か?」
「いらねーんなら、おれが呑む。」
「いや、もらうぜ」
ニカっとサンジが笑う。
残り物でちゃちゃっとつまみを作り、テーブルにおいてドカッとイスに座った。
「見張り番もあるしな、ちょっくらさし呑みでも。」
サンジが言う。
「…おう」