Novel

□エリシマム・ゴールドダスト
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暑いわ…
真上にある太陽の光が容赦なくじりじりと肌を刺す


夏島に近づいているとナミが言っていたから…
と目の前の花に話しかけるようにつぶやく。


「ロビンちゃん暑くないかい?」

花壇の手入れをしていたロビンにサンジが声をかける


「ええ、大丈夫よ。」
その問いかけにニッコリと答える


「こう暑いと、花が弱るのが心配かい?あ、ここにコーヒー置いておくよ。」

まさに喉の渇きを感じたときだったのでロビンはこの船のコックの気遣いに頭がさがる。


「ええ、この花は暑さに弱いから…でもフランキーに日よけを付けて貰ったの。だから少しは安心…コーヒー、ありがとういただくわ」


「ああ、それはよかった。今日は暑いから水だしにしたんだ。」

一口飲むと豆のいい香りが口の中いっぱいにひろがり、鼻から抜ける
サンジのいれたコーヒーはさすがである


「すごく美味しいわ。さすがね、ちゃんと私の好み、わかっているわ。」


「光栄ですvV」

こうも暑いのにジャケットを脱いだだけのスーツの紳士は気取って頭を下げる


女性にやさしいサンジは特に、ナミや自分をよく見て気を配っている。

もちろん、女性好きな彼であっても仲間全員の好みを理解しておりタイミングよく気を配る。コックとして、すばらしい働きをしているとロビンは日頃から感じていた。




「本当にあなたは一流のコックね」


周りの仲間も口にはなかなか出さないが同じ意見であるのは、そう言った自分も、当の本人も分かっているが。口に出して伝えたいとロビンは思ったのだ。


「ロビンちゃんにそう言ってもらえると、本当にうれしいよ!」


煙草に火をつけながらニカっと笑った



「きっとあなたがいなかったら…この船のみんな、上手くいかないわね。まあ、もちろん誰が欠けてもダメだけど。特にあなたみたいなコックはなかなかいないから」



「…はは。俺みたいな一流はなかなかいないからね!」

さっきの笑顔より落ち着いた笑顔をみせ、煙を太陽に向けて吐く



「…この花。かわいいでしょ?あなたみたいな素敵な黄色。」


「え?ああ、髪の毛かい?はは。じゃ、その花はこの暑さにもきっと耐えれるよ。俺暑さには強いからね」


「ふふ。そうね」

「おーいサンジー!!腹へったー!!!」


一流のコックはなかなかゆっくり一服できないようだ

わーったよ!と『船長命令』に応えるためにキッチンに戻っていったサンジ。
きっちり、ロビンのコーヒーのおかわりを入れて。





「ふふ。…本当に。あなたの代わりもいないわよ。」

黄色い花に触れ、彼に言いたかったことを告げる。


ロビンが頭に浮かべているのはあの島での『男の美談』




この船の一流コックの髪と同じ色。
その花は。


『エリシマム・ゴールドダスト』



花言葉は





「逆境にも変わらぬ愛」




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