Novel
□Dr.
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「いててっ」
「じっとしてなきゃダメだぞ。ほら、これで…よし!」
「おう、チョッパーありがとな。」
「おう、うううう嬉しくないぞコンニャロー」
チョッパーの医務室に訪れたのはウソップ。
「たいした傷じゃねえのに、すまねえな」
包帯の巻かれた人差し指を見つめ彼は言った。
その言葉にチョッパーは笑顔でこう返す。
「そのままにしておいたら傷にばい菌が入るし、治りも遅くなるからな。それにこれが、おれの仕事だからな!」
そんな自分の仕事を誇らしげに笑顔を見せるチョッパーを見て
ウソップの頭に浮かぶ一人の少女。
この部屋の机には
たくさんの医学書が広げられ、重ねられ。
たくさんの書き込みがしてあるのが目に入る。
「…なあ、チョッパー。『医者』になるのってやっぱ、難しくてつらいことじゃなかったか?」
一瞬遠くを見つめるその瞳をみて
チョッパーはゆっくりとこう答えた。
「そうだな…『医者』になるのは本当に難しいしつらいし、大変だと思う。」
そう言いながらチョッパーは自分に医術を叩き込んでくれた人の言葉を思い出す。
「そうか…。つらいのか…」
なにかを心配するように足元を見つめるウソップ
その様子に、気付くチョッパー。
「…うん。優しいだけじゃ人の命は救えないからな…いろんな勉強をして、知識を叩き込んで…でも。」
「…??」
「優しい気持ちがなくたって医者は出来ないんだ」
「!!そうか…!そうだよな!」
「『カヤ』は優しいんだろ?」
チョッパーがふんわりと笑う
「ああ!あったりめーだ!…チョッパーに負けないくらいいい医者になるんだ!」
二カッと笑ったウソップ。
その笑顔にさっきの不安な気持ちは感じ取れない。
「ありがとな。チョッパー。」
「!!ううう嬉しくないぞコンニャろう!!」
そうだよね、ドクター。
終