Novel

□Instrument
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ある日の午後


フランキーがギターをじゃかじゃかと掻き鳴らす
一番にその様子に反応したのは





彼であった



「ヨホ。フランキーさん。あなた、アコースティックギターお弾きになるんですね。」



現れたのはアフロのガイコツで紳士なブルック





「ん?ああ。細けー技術は持ち合わせてねえがある程度は弾ける。」


じゃかじゃかと鳴らしながらもうーんと頭をかしげる





「ヨホホホ。そうですか。でも、今でも十分お上手ですよ?」






「ま、そうだな。スーパーなおれだからな!だが、音楽家のおめーに言われると嬉しいもんだぜ。」



鼻の下を擦って口角をあげるフランキー


「フランキーさん…このギターもしかして…手作りですか?」
ブルックがギターをじっと見て言う



「んあ?そうだ。よく分かったな。これくらいならお手のモンだぜ。」



「ヨホホホホ。一応音楽家なもので。さすがお器用ですね。」


フランキーのギターをまじまじと見つめ、感心しているブルック



「おうよ!…だが…調律は得意分野じゃねーんだわ。」


さっきから何かしっくりこないと思っていたのだろう。フランキーは調律は苦手と言う。


「…そのようで。少し貸していただいても?」


そのことに始めから気付いていたのか、ブルックはすぐに許可を得る。




フランキーが手にしていたギターをブルックに手渡すと

スっと受けとり
白い骨の指でポロン、ポロンと音を調律していく


「ヨホ。これでいかがでしょう?」


「おー。さすがだな!さっきよりいい音だぜ。」

フランキーらしく大胆に鳴らすと、
先ほどと違う自然な音に感心するフランキー



「こんなことくらいならいつでも、お手伝いいたしますよ。私の耳で調律…あ。私、耳はないんですけどー」

「ガイコツだからー!ってうるせーよ!」
「ヨホホホホホ!!」



「おい、おめー。」

「??」


「ヴァイオリン…の修理くらいはしてやるよ。いつでも言えよ。」


「!?ヨホ。ええ、その時はお願いします。ヨホホホ。」







この後

この場がステージになるまで時間はかからない








ギターとヴァイオリンのセッションに船員が集まり始める。









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