高杉連載

□つまらない人生の終止符
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act.3 つまらない人生の終止符










あの保健室事件(?)から早一週間弱。




あれから私は事ある事に保健医、もとい高杉先生に朝昼放課後関係なく呼び出しを食らっている。

そして、今日もまた放課後に呼び出しを食らった。



「で、今日はなんですかァ高杉先生」

「そこの棚、整理しとけ」

「なんで私がそんな事…」

「俺の腹を思いっきり蹴ったのは誰だったかなァ」

「あれは先生が悪いんでしょ!!」

「慰謝料、もらってもいいんだぜ?」

「………」














ムカつくムカつくムカつくゥゥゥ!!


何あの勝ち誇った顔ッ

あれホントに教師!?めっちゃ大人気ないんですけど!!






心の中でそんな悪態を付きながら、私は怒りに任せて棚の整理をしていく。


「オイもう少し優しく片付けろ」

「そう思うなら自分でどうぞ!!」


私が怒ってそう言うと高杉先生が呆れたように溜息を吐いた。


なんなのよ、あの溜息。

尚更ムカつくんですけど…







「溜息吐かないで下さい!!」

「吐きたくて吐いてるんじゃねェ」

「…じゃあ、なんなんですか?すっっっごく腹が立つんですけどォ」

「お前さァ教師に向かってそんな事言っていいのか」

「いいんです。銀ちゃんにもこんな感じだからッ」

「銀ちゃん…?」

「銀八先生ですよ銀八先生。私、銀八先生の事、銀ちゃんって呼んでるんです」

「なんでだ?」

「賭けに負けちゃったんですよ、それで」

「賭けって…何したんだよ」

「ババ抜き。それで負けたらなんでも言うこと聞くっていうルールで」

「…ガキ臭ェな」

「で、そのなんでも言う聞く事が銀八を『銀ちゃん』ってハート付きで言うことだったんです」

「災難だなァ」

「初めは賭けに負けたから、仕方なく嫌々呼んでたんですけど…今じゃこれが当たり前になっちゃって…」

「ハート付きが、か?」

「銀ちゃんって呼ぶのがです!!」


ふーん、となんだか面白そうに私の話に相槌を打つ、高杉先生。





絶対、私の事からかってるよね…


そんな事を思いながら私は棚の整理を再開した。








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