高杉連載
□何事もやってみるのが肝心
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act.7 何事もやってみるのが肝心
「成る程ね〜」
その言葉と同時にコトンと国語科準備室の備え付けのテーブルにいちご牛乳の入ったコップを置く銀ちゃん。
そしてガシガシと頭をかきながら呆れたように口を開いた。
「素直じゃねェなァお前は」
「別にいいじゃん。結局は報われない恋なわけだし…」
「でも好きなんだろ」
「そうだけど…でも先生ってゆー存在は遠すぎるよ」
「何が遠いんだァ?オメーもう18だろ。結婚出来んじゃねェか」
「いや、そういう問題じゃなくて…」
「それにあと1年もしないうちにオメーは卒業だ」
「……まぁ普通にしてたら、ね」
「だから大丈夫、大丈夫」
「いや大丈夫の意味が全く理解出来ないんですけど」
私の言葉に哀れむように私を見つめてくる銀ちゃん。
てか、そんな目で人を見ないでッ
「オメーは可哀想なくらいバカだなァ」
「シミジミ言うなッ」
私が銀ちゃんに向かって怒鳴ると銀ちゃんはいちご牛乳の入ったコップを持って、一気飲みしてからまた口を開いた。
「1年我慢すりゃあいいだけの話だろォ」
「我慢…?」
「そうすりゃあオメーはもう生徒じゃねェ。ンで晴れて高杉と一生一緒にいられる」
「それじゃ遅いでしょ!?卒業してから先生にアタックしても…」
「誰が卒業してからしろって言ったよ」
「はい?」
「だーかーらー学校にいる間に高杉にアタックすんだよ」
「それじゃあ先生に気持ちがバレちゃうじゃん!!」
「別にいいじゃねェか…てか何がダメなんだっつーの?」
「…だって先生にバレたら余計相手にされなくなるよ」
銀ちゃんの問いかけに弱々しく答える私。
そんな私の姿を見て銀ちゃんがため息を吐いた。