沖田夢

□疑いを抱く
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まだ辺りも暗い早朝。

私は昨日もらった隊服を身に纏い、刀を腰に差して、自分の部屋を出た。


ぶっちゃけ屯所内を探検したいのだが広すぎてわからない。しかも、まだ辺りが暗いから尚更。


「あーどこだ、ここ?」


キョロキョロと辺りを見渡してもいくつも並んでいる同じ障子と広い中庭があるだけ。




方向感覚がなくなる。






「あれ、あの部屋電気点いてらァ」


こんな時間に起きてる人いるんだなぁ…と思いながら私は灯りの点いた部屋へ向かった。






息を潜めて障子に耳を当てる。


中からは特に人の声はしない。それになんの音もしないんですけど…不思議にそう思っていると突然障子が開いた。


「何やってんだテメー…」


そして頭上から聞こえた低い声に目線を上にやる。


「あ、副長じゃん」

「オイ何タメ口言ってんだオメーは…で、何やってんだって聞いてんだよ」

「何って、探検ですけど何か?」

「何か?じゃねェよ。テメーみたいな怪しい奴が屯所内を彷徨いてんじゃねェ」

「いいじゃないですか。これから私はここに住むんだし、知らないと色々不便じゃないですかァ」

「………私?」

「え?」

「今、私って言ったよなァ」

「………」


土方の視線が一気に鋭くなる。



てか私、何自分でバラしちゃってんのォォォォォ!!






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